第274話
名前を聞いた瞬間、大至急リビングを離れ自分の部屋に駆け込んだ。健が入ってこられないように鍵を閉めた。
「もしもし。聞こえてますか?」
「はい……大丈夫です……」
「いやぁ、お恥ずかしい話なんですが今日の朝にスマホをトイレに落として壊れたんですよ。もしかして電話くれてました?」
「いえ……してないです……」
「蓮から話は聞いてますよ。盗聴器ついてる可能性もあるので話すときは気をつけてくださいね。なるべく小声で。」
「わかりました……」
「どうしても直接会って話が聞きたいんですが、九時頃に部下と一緒に高瀬さんの家に伺っても大丈夫でしょうか?」
「今日は用事があるので無理です。すみません……」
「やはり御手洗が怖いですか?」
「…………」
「いやぁ、蓮が言ってましたよ。高瀬さんを苦しめてる男は相当狂った人間らしいですね?警察と会ってるなんて知られたら確かに怖いですよね。相手はストーカーなわけですし見られる確率は高いですしね。」
「はい……」
「要するに、私たちが警察の人間だと御手洗に気づかれなきゃいいんですよね?それなら会ってくれますか?」
「すぐに気づかれますよ……」
「絶対に気づかれないようにします。なんなら私は女装していってもいいですよ。部下にも女装させます。部下にはセーラー服着せてツインテールさせときます。」
「ツ、ツインテール……?」
「ツインテール駄目ですか?ポニーテールとか、くるりんぽの方がいいですか?」
「いえ、あの、そういうことではなくて……」
「まさか捜査一課の刑事が女装してるなんて御手洗は夢にも思わないでしょう。私はメイド喫茶の服装、髪型はお団子で化粧もします。それでどうですか?会ってくれますか?」
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