第227話

「……なにいってんの?」




「俺が雨夜かもしれないとは考えなかったわけ?さすがにその発想はなかった?」




「御手洗さんが、雨夜先輩とか……そんなこと絶対にありえないから……」




「どうして?」




「ありえるはずない。なんでそんなこと言うの……?」



「普通にありえると思うけど。仮にもしそうだったらどうすんの?」



「…………」



「そのピアス似合うね。俺があげたやつでしょ?そんなに大事?」



御手洗は歪んだ笑みを浮かべながら私の髪を片手でクシャクシャにしてきた。完全に私をからかって遊んでいる。早くこの部屋から離れないと。これ以上、この男と一緒にいたら気が狂ってしまいそうだ。




「……もうなんでもいいから早くどいてよ。家に帰らせて」




「そんなボロボロの格好でどうやって帰るの?ヤられたあとみたいなってる。健になんて言うつもり?俺に犯されたって言ってみる?」



「健には何も言わない……。だから帰らせて。また明日連絡するから……」



「絶対に帰らせない。今日は泊まってもらうから。朝までイチャイチャしながら語ろうよ。なんならずっとここで暮らしてもいいよ?」



「……………」



「オレ、やっぱり1ヶ月も待てそうにねえわ。今から離婚届書いて。」

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