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第219話
真後ろから飛んできた声に吃驚して咄嗟に振り返った。そこに立っていたのは御手洗だったから全身の血の気が引いた。
「……なんでいるの?」
「それは俺が言いたい。なんで市川さんが俺んちにいるの?」
「……いま帰ってきたの?」
「ううん、ずっと風呂場にいた。市川さんが必死に何か探してるみたいだったから気になって声かけてみた。」
「……わざわざ靴隠してたの?」
「隠してないよ。俺はいつも靴はベランダか冷蔵庫の上に置くようにしてんの。俺がいないって思ったから入ってきたの?」
「…………」
「それでも嬉しいわ。やっと二人きりになれたね。せっかく来てくれたんだから今日は泊まっていってよ。健と一緒にいるのは気まずいでしょ?」
「勝手に入ってごめんなさい。今日は……もう帰る……」
「帰らせないよ。なに探してたの?」
「何も探してない……」
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