第209話
御手洗と父が帰ったあと、母は「私もそろそろ寝るわね」と言って逃げるように二階に上がってしまった。重苦しい空気に耐えられなかったのだろう。
帰りは私が運転していたが車内は怖いぐらい静寂だった。健は窓の外を眺めているだけで一言も喋ってこなかった。
「健……」
「…………」
「怒ってる……?」
「もう一生、お前の実家いけねえわ。御手洗さんにも合わせる顔がない。」
「……なんで土下座なんかしたの?私を信じてくれてないの?」
「お前を信じた俺が馬鹿だったわ。」
「……なにそれ」
「お前、みんながいる前で私が嘘ついてないってこと証明してあげるって俺に言ったよな?あの自信は一体なんだったの?なんの証明もできてねえじゃねえか。お前が大嘘つきで俺が情けない旦那って思われただけじゃねえか。」
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