第202話
……なんて男だ。御手洗の思考回路はどうなっているのだろう。調べればすぐにわかるような嘘を平気でついてきている。今さえ乗り切れば大丈夫だと考えているのだろうか。
家の中は殺伐とした空気が流れている。父が私に向けている視線が痛いほど突き刺さった。完全に私を疑っている目だ。
「……行かないと思ってるんでしょ?本当に行くからね?」
「だから行ってよ!!俺、昨日の夜はずっと嫁の病院行ってたんだよ??体調が悪化したから朝まで看病してたんだけど!!それでお父さんとこに戻れなかったんですよ!!高瀬さんにも伝言頼んだよね??」
その言葉に父は「異議なし!!!」と話に割り込んできた。
「昨日、娘が御手洗さんの家訪ねてきてわしに伝えにきたじゃないか!!御手洗さんと偶然道で会ったけど急用ができたから帰れないって!!お前は蓮とずっと一緒にいたって言ってただろ!!」
「……違う。昨日は怖くて頭が混乱してたからそんなこと言ったかもしれないけど違う。そうやって言えって脅されたから」
「そんな言葉通用するか!!勅使河原琉聖ってどっかで聞いたと思ったら今日殺された極悪男だろ!!なんでそんなやつと御手洗さんが一緒にいるんだ!!そこからしておかしいだろ!!」
「だから、それは……。説明しても信じないだろうから先に背中見せてって言ってるんだよ……」
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