健は御手洗を家に呼ぶことはなかったし向こうの家に行くこともなかったが、マンション内で会った時は普通に会話をしていた。

「出張のこと？言ったよ。」

「……なんで？」

「出張とかあるんですか？って聞いてこられたから普通に答えただけだよ。」

「いちいちそういうこと言わないでよ！！てか、なんであいつと喋るの？外で会っても絶対に喋らないで！！話しかけてきても無視してよ！！」

「そんな露骨に無視なんかできるわけねえだろ！！俺からは絶対に話しかけないけど、向こうが話しかけてきたら返事するしかない！！ほとんど挨拶だし会話しても三分で終わるわ！！」

「……健にお願いがあるんだけど」

「なんだよ……」

「……出張断ってくれない？」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい