どこまでもいい人を演じるつもりだ。このままだと両親は私よりも御手洗の方を信じてしまうかもしれない。絶対にそれだけは阻止しなければ。

「外出てきたよ。まさか市川さんから電話くれるなんて思わなかったからめっちゃ嬉しかった。大事な話ってなに？健との離婚が成立したとかなら、さらに嬉しいんだけど。」

「……昨日私が帰ってから、勅使河原さんとなにしてたの？」

「二人でラーメン屋に入って味噌ラーメン食ってた。ゆでたまごは一口も食べてなかったけど。なんか、ひたすら謝ってこられたわ。謝るぐらいなら最初から煽り運転なんかすんなよって思わない？」

「……そのあとは？店でたあとは、どうしたの？」

「タクシー呼んで帰ったよ？俺一人で。」

「あの人、殺されたんだよ……？」

「知ってるよ。ニュースで見た。相当なゴミ人間だったらしいね。ネットでボロカス書かれてた。あんなやつ殺されて当然なんじゃねえの？」

「御手洗さんが殺したんでしょ……？」

「それ本気で言ってんの？」

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