さっきのニュースだ。路上で殺されたのは美羽の客で間違いなさそうだが、その男と勅使河原が同一人物だとは限らない。違う可能性だって考えられる。

「こんなこと言ったらあれなんだけど正直な話、死んでくれてよかったって思ってんの。店長が調べた限りでは噂は全部ほんとでありえないぐらいの極悪人だったらしいよ。婦女暴行、麻薬、振り込め詐欺、あおり運転の常習犯、動物虐待とかもしてたらしい。」

「……犯人は？つかまったの？」

「ううん、つかまってない。目撃者もいないらしいよ。」

「殺された人は……」

なんて名前なの？と聞きたかったが怖くて声が出なかった。

「ネットに写真と名前出てたよ。あとで見てみて。もう笑うぐらい不細工だから。」

「…………」

「私ずっと５０代かと思ってたんだけど全然違って驚いた。あーーでも、これで安心して働ける！！そいつのせいでどんだけストレスたまってたか！！胃が痛くて死にそうだったの！！今日はもう好きなもの食べて飲みまくる！！」

「……ごめん、美羽。今から健と実家行くから、また連絡する」

「了解！！ニュース見といてね！！」

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