第151話
御手洗は勅使河原の頭に銃を突き付けたまま私の方に視線を向けている。
勅使河原もこの上ない恐怖で生きた心地しないだろう。この大雨のなか正座を崩すことなく俯いている。
「……指輪は捨てられない」
「なんで?」
「……大切なものだから」
「なら、今すぐ外してよ。捨てなくてもいいから一生外しててくれる?」
「……わかった」
「ひとつ聞いていい?」
「……はい」
「俺との会話録音してるよね?」
「…………」
「全然いいよ。警察に聞かせたかったら聞かせたらいいんだよ。そのかわり、俺も動くからね。それ相当のお礼はさせてもらうから。」
心底恐ろしいと思ってしまった。最後の頼り綱だったのに……
「……録音なんてしてない」
「俺を誰だと思ってんの?君のストーカーだよ?なんでもお見通しなのに、そんな嘘が通用すると思う?」
「……本当にしてない」
「ストーカーで思い出したけど、俺のことストーカーとか言って警察に相談したことあるよね?もうほんとやめてほしい。今回も、また警察を頼るの?一度ならず二度までも俺を裏切るつもり?」
「……誰にも言わない」
「塗木 蓮。」
「…………」
「次、俺のことを誰かに話したら蓮をこの世から消すから―――――」
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