第130話
どうでしょう?と聞かれても“嫌です”以外の答えが思い浮かばなかった。
「私らは、いつでもかまわんのだが。そちら側の都合に合わせる。」
一瞬にして胃が痛くなった。アイスコーヒーではなく胃腸薬のソルマックを頼めばよかった。
「家族の都合つく日が、わからなくて。最近は忙しいみたいで……」
「なら、明日にでも皆に予定を聞いて私のスマホに連絡してくれるかな?明日の昼までには、スマホも直ってると思うから。約束だぞ?」
「わかりました。予定聞いて明日必ず電話します……」
「あと、玲央君は絶対に食事の場に連れてきてほしいんだが。難しいのはわかるが今回だけは君からも頼んでくれ。あのこの最近の行動は、あまりにも酷くて目に余るものがある。毎日、派手なバイクに二人乗りして学校に行ってるみたいだしな。一度ゆっくり話がしたい。」
「……人見知りが激しいので来るかわかりませんが一応伝えておきます。あの…手紙のことなんですが、あれからも家に届いてるんでしょうか?」
「いや、妻は毎日ポスト確認してるらしいが届いてないと言ってた。私が読んだのはあの一枚だけだ。でも妻の様子がおかしいから、もしかしたら届いてて私に隠してる可能性もある。」
「そうなんですね……」
「私の職場に手紙や証拠みたいなものが届いたら、どうしょうかと毎日ヒヤヒヤで仕事に集中できん。君を責めてるわけじゃないんだが、大丈夫なんだろうね?まぁ、この件に関しては後日ゆっくり話そう。」
「わかりました。迷惑かけて申し訳ありません……。友達が戻ってきたのでそろそろ切りますね。また明日、連絡しま……」
「友達?こんな時間にか?」
「…………」
「紫乃さん?」
「…………」
「紫乃さん?聞こえてるのか?」
「…………」
睡眠薬の飲み過ぎで幻覚を見ているのだろうか――――――
「なんだ、急に黙りおって。こっちの用件は伝えたから明日連絡待ってるぞ。それじゃぁ、おやすみ。」
運転席に
御手洗がいる―――――――――――
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