第76話

私でさえも知らない情報を、淡々と言ってきたことに背筋が凍って血の気が引いた。




『ストーカー殺人』このワードが延々と頭を過っていた。




私はいつか殺されるのだろうか。吐き気と恐怖感が津波のように襲ってきて意識を失ってしまいそうになった。




私の精神がギリギリの状態で耐えられているのは、愛していた男に似ているからなのだろう。そうでなければ、市川秋子と聞いた時点で失神していたに違いない。




「俺ねぇ。誰を味方につけたらいいのか、今日一日ずっと考えてたのね。」




「……味方?」




「そうそう。誰を味方につけたら市川さんと、より早く結婚できるのかなって。やっぱり、どう考えても秋子さんだわ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る