第46話

「……愛してないのに、どうして結婚したの?」



「どうしてだろ。とりあえず家族がほしかったからかな。それより健と何回セックスしたの?」



「……奥さん刺されて入院してるって言ってましたよね?」



「言ってたね。」



「御手洗さんは……悲しいとか怖いって感情がないって言ってたけど……奥さんが刺されたって聞いた時も……全く怖くなかったんですか……?」




違う―――――――――




私が聞きたいのは、こんなことじゃない。




「全く怖くなかった。悲しくもなかったですよ?むしろ、そのまま死んでくれたらいいのにって思った。」




嫁を刺したのは御手洗のような気がしてならなかった。だけどそれを聞いてしまったら、もうこの男から逃げられなくなるような気がした。




「犯人、俺だと思ってるんでしょ?」




「……思ってるわけない」




「思ってていいよ、俺だから。」




「―――んんッ!!!」




驚愕したと同時に、御手洗は私にキスをしてきた。

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