オタサーの姫と、オタクに優しいギャルと、パパ活メンヘラ地雷系と、あざとい小悪魔系後輩と、ヤってしまった。なおカノジョたちの傍にはBSSしている主人公っぽい陰キャがいた模様やべぇオワタもう遅い!
園業公起
BSSさせてしまった?!もう遅い!
第1話 オタサーの姫、お持ち帰ります!
朝起きたときに目の前にあるのがよく知らない女の子の顔だったらすごく焦る。それが美少女だとなおのこと焦る。
「…んん…。ふぁ…。あ…お、おはよう…」
目の前の女の子と俺は一つベットの上で同じ布団を被っている。もちろん布団の下は…生まれたままの姿。
「あ、うん。おはよう…」
記憶がよみがってくる。きのうはおたのしみでしたね!今いる場所は間違いなくラブホである。
「「………」」
目の前の女の子と目が合うがお互いに言葉が上手く出ない。だけど女の子は俺の胸の方に寄りかかってくる。彼女の体の柔らかい感触が伝わってくる。
「…っあ…」
女の子は俺のアレの朝のあれになっていることに気がついたようだ。
「…あ、あの…まだ…ちょっと…。ひりひり。するけど…。いいよ…」
勘違いさせてしまったようだ。というかこの反応もしかして…。俺は布団を捲る。そしてすぐにぱたりと戻す。赤いシミがありました。アウトー!!ヤバい。これが慣れてる子なら適当に言い含めて終わりである。だけど相手が初めてだったとか…ちょっとまずい。ちょっとじゃない。すごくまずい。さすがに初めてのエッチを悪い思い出にしてしまえるほど、俺は屑ではないつもりだ。だけどもうやってしまったのだ。しかも驚くべきことに、俺、目の前の女の子の名前、覚えてない…。
「と、とりあえず。とりあえず。シャワー浴びない?とりあえずね!あはは!」
俺は女の子の手を引き、バスルームに向かう。そして二人で一緒にシャワーを浴びて、二人でお風呂に入る。彼女の体を撫でながら俺は必死に昨日のことを思い出そうとした。
大学の飲み会で椅子の会場選ぶ幹事は須らく滅ぶべきだと思う。
「あーあ。なぁ
俺の前の席に座る茶髪で微妙にあか抜けない雰囲気おしゃれボーイが嘆いていた。名前は知らない。オシャボ君って呼んでやりたい。
「そだね。でも席移動したいならすればいいじゃん」
個人的には賛同する。席の移動はたしかにしづらい。おかげで目の前の良く知らないやつになれなれしく名前で呼ばれている。てかこいつ誰?同じ学科じゃない気がする。でも大学生なんてみんな下の名前で呼び合うようなところあるし仕方ないか。
「ばか!そんなのなんか下心見え見えじゃん」
「下心なきゃ女の子と喋る意味ある?俺はないと思うけど?」
オシャボ君童貞かぁ。まあ卒業したいと思ってる時点では有望ではあると思うけど。
「でも令司!彼女作るんだったらやっぱり誠実さはアピールしなきゃだめだろ」
誠実さ…?それモテるのに必要かな?俺の周りにいる女と息を吸うようにヤってる連中の顔を思い出す。例1:女の子にタバコ買いに行かせる奴。例2:ギター弦を女の子に貢がせる奴。例3:チケットノルマを女に肩代わりさせる奴。例4…。このままだと延々とクズエピソードが終わらなさそうだからもうやめよう。
「ようは恥ずかしくて席移動できないってことね」
「お前だってそうだろ?こんな端っこの方で俺と一緒に飲んでんだから」
俺が端なのは一番最後に来たからだ。別に恥ずかしがり屋なわけではない。
「てかそんなに彼女欲しいの?なんで?」
「そんなの大学生なら当たり前だろ!むしろ大学以外でどうやって恋愛するんだよ!」
俺の周りの連中の顔を思い出す。例1:バンドの打ち上げに客のかわいい子誘ってそのままラブホ。例2:バンドのsnsにエロ自撮り送ってきた子とオフ会してパコって付き合う。例3:クラブでナンパしてやった女にお友達を紹介してもらって付き合う。例4…。やめようクズしかいない。
「わかったわかった。その熱意は理解した。じゃあちょっと待ってて。あと生ハムメロン食ったら殺す。ちゃんととっとけよ」
俺は立ち上がりトイレに向かう。用を足した後、同じくトイレ帰りの大学デビュー系っぽそうな二人組に声をかけた。
「あれ?お二人さん。この間の実習の授業一緒だったよね?ほら覚えてない?」
女子二人は足を止めて俺の顔を見る。だけど申し訳なさそうに首を振る。
「ごめんなさい。覚えてないです」
「あーそっか残念。俺は二人のこと覚えてたんだけどなぁ。東野さんと市ヶ谷さんでしょ?」
女子二人はぴくっと反応した。俺が名前を憶えていることに驚いているようだ。
「二人ともキラッとしてたから覚えてたんだけど。ああ。覚えられてなかったか残念」
女子二人は少し嬉しそうな笑みを浮かべている。
「二人はあれでしょ?なんか馬鹿のみするアホのシマにいたでしょ?」
「うん!そうなの!なんか一気飲み自慢してきてなんかねぇ」
「うん。そうそう。そんなの自慢されてもねー」
おし。今いる席に不満がおありらしい。
「じゃあ俺のシマこない?さっき美味しかった生ハムメロンとかまだ残ってるだぁ。それに二人に俺の顔ちゃんと覚えてもらいたいし」
俺はにこやかに笑みを浮かべた。女子二人は笑みを浮かべて頷いてくれた。
「戻ったぞー」
「おお。令司。遅かったから生ハムメロン食べようかと思ってたぞ」
「はは。間に合ったねーセーフ」
俺が女子たちの前で両手をセーフに広げると、女子二人も俺の真似をきゃきゃと楽しそうにしてくれた。そして俺がオシャボ君の隣に座ると、女子二人は俺たちの目の前に座る。
「え?ちょ?令司どういうこと?」
「意気投合したんだよ。ねー」
「「ねー」」
「令司。お、お前。リア充だったのか…?!」
オシャボ君が俺を唖然とした表情で見詰めている。
「じゃあ乾杯しようか。店員さーん!とりまカルーアミルクみっつー」
すぐにカクテルはやってきた。
「カルーア好きなの?令司くんかわいい!」
「うんチョー大好き。甘い酒いいよね」
個人的には酔えればなんでもいいです。テキーラショットとかコスパいいよね。
「じゃあ。かんぱーい!」
「「「かんぱーい!」」」
そして俺の手配でプチ合コンが始まった。なかなか楽しい時間だったと思う。意外にオシャボ君が女子受けできる話が出来たのもよかった。そうやってしばらく楽しく過ごしていた。
そして気がつくと視界が狭くなるくらい俺は飲んでいた。それでトイレに行って、戻ってくると自席の場所がわからなくなっていた。
「やべぇ。もどれねぇ。…まあいいか!」
俺は適当に座って楽しく飲めそうな席を探す。どこもだいたい人間関係が出来上がっているように見えた。
「これが入りづらいって奴かぁ!仕方ねぇ!存在アピール!ほおおおお!」
俺はいろんなシマがだいたい視界に入るくらいのところに立って。歌うことにした。選んだのは最近はやっているアニメの主題歌である。
『~~~~~~~~~♪』
これでも俺はバンドに所属している。ボーカルではなくベーシストだがボーカルよりも歌が上手い自信がある。まあバンドにおける真の実力者ってやつだと自負している。
「あはは!あの子歌ってる!」
「でもうまーい!」
「撮ったれ撮ったれ!ぎゃはは」
俺の歌はウケているらしい。そして歌い終わって。みんなから拍手を貰った。
「みなさん!今日の二次会はカラオケらしいです!カラオケ会場でボクとデュエットとぅげざーしようぜ!ほぉおお!」
「「「いぇーーーい!!」」」
ノリのいい奴らからはそんな返事が返ってきた。なお誰一人として知り合いがいない。でもとりあえずハイタッチしてノリよく過ごす。そしてあちらこちらの連中とハイタッチしながら会場を歩き回っている時だ。とあるシマの会話が耳に入った。
「カラオケでござるかぁ拙者たちもこの後はいつものカラオケ屋にいくでござるか?」
「左様やな。ガチともフレンズな我ららしくアニソンざんまいで候」
「…え…二次会…じゃないの?」
そのシマは絵に描いたような偏見にまみれたオタク陰キャばかりだった。だけど一人だけすごい美少女がいた。フェミニンなパステルカラーなピンクのワンピにカーディガンを着ている。パッと見清楚そうなのでオタクがすごく好きそうなガーリッシュさ全開だ。黒髪ロングで大人しそうな感じがオタクにウケそう。
「さっきのひと…。も。アニソンだし…。二次会…で。いいよね…?」
「何を言ってるでごわす!ニコさん。俺らのような陰キャが二次会なんて言ったら爆発してしまうですぉ!」
オタクたちはしきりに頷いている。陰キャと陽キャは交わらないとよく聞く。でももう大学生だし関係なくない?てかあの美少女はニコっていうのね。
「まあまあでも付き合いも大事だし、ニコも行って見たそうだし。たまにはいいんじゃない?」
そしてそのオタク集団の中で一人二次会参加を主張する奴がいた。前髪がバッテンクロスで清潔感はあるし実に優しそうで理解がありそうな誠実そうな男の子だった。なんかラノベの主人公っぽい髪型だな。トラックに轢かれて異世界に行ってそう。もしくは隣に幼馴染と霞んでそう。そんな雰囲気。
そう思いだした。今俺と一緒にふろに入っているこの子の名前はニコだ。
「ニコって意外におっぱい大きいよね。脱がせて驚いたよ。着瘦せするタイプだ」
「…そう。かも。でもお洋服。少なくて。大変。自分で縫ってるの」
「へぇそうなの?すごいねぇ。こんな風にミシンするの?」
俺はニコの脇腹をトントントンと軽くたたく。
「きゃ!…うふふ。くすぐったい…」
ニコはトロっとした笑みを浮かべている。でもまだフルネームは思い出せない。あのあと何があったんだ?俺は再び記憶に沈む。
二次会のカラオケ。俺がさっきアニソンを歌ったからだろう。割とそういう選曲も許される空気だった。というか今どきオタクを差別とか高校生くらいじゃね?大学になるとリア充も萌えアニメ見てしこり出すよね。
「ニコ。これいっしょに歌おう?」
前髪がバッテンクロスしてて清潔感ある以下略誠実くん。とりあえずせいじつ君って呼ぼう。せいじつくんがニコさんにデュエットを提案していた。
「……うん……いい………よ」
ふっと気がついた。一瞬だけどなんか俯いて嫌そうな顔をしていたように見えた。だけど二人は元気よく往年の有名アニソンを歌ってそれなりに盛り上がっていた。
「令司!さっきはさんきゅーな!おかげで実は東野さんと連絡先交換してデートいくことになったんだ!ほんとありがとう!」
俺の隣に座るオシャボくんが俺にしきりに感謝していた。うまくいけばカップル誕生かも知れない。つまりこいつは俺に恩があるってことだ。
「お前俺に恩があるよね?」
「おう。そうだな。感謝してる!」
「じゃあその恩今すぐ返してくれ。頼みがあるんだ」
俺は真剣な顔でオシャボ君に頼みをする。
「おう。何でも言ってくれ」
「あの前髪がバッテンクロスしてて清潔感がある実に優しそうで誠実さが取柄そうな男にウザ絡みしてきて」
「え?なんで?」
「深慮かつ大胆でありながら動かざるごと山の如く神速を貴ぶ臨機応変な戦略的撤退だ」
「お前酔ってるのね。まあいいけど。行ってくるわ」
オシャボ君は俺の頼みごとを忠実に実行してくれた。チューハイのグラスを二本持っていき、そのうちの一つをせいじつくんに渡した。
「よう!お前さっき歌美味かったじゃん!!これ俺の奢り!まあここ飲みほだけどね!ぎゃはは!」
「え、あ、ありがとう」
そして二人はその場で乾杯する。オシャボ君はその場でチューハイを飲み干した。せいじつくんは半分くらい飲んだ。
「じゃあ今度は俺と歌おうぜ!俺ももとオタなんだよね!あはは!」
「そうなんだ。へぇ」
その二人の様子はよくある大学生の一幕って感じだ。せいじつくんも笑ってるし楽しんでいるようだった。代わりにニコは暇になったのか立ち上がってカラオケルームを出ていった。俺も少し時間をおいて出た。そしてドリバーの前で悩んでいるふりをする。そしてトイレ帰りのニコが俺の傍を通りかかった。
「あ、君さっきデュエットしてた子だよね?歌上手だった。聞きほれちゃったよ」
突然俺が話しかけたからか、ニコは少しきょどった様子だったけど、笑みを浮かべて。
「あ。ありがと」
ぼそぼそとした声で返事をしてくれた。
「あ、あの」
「なにかな?」
「あなた。も上手。さっきの。飲み屋さんの歌。あの曲。わたし。好き」
「そうなんだ。あの歌もいいけど。アニメ本編もいいよね。フリーランの旅がすごくエモくて泣ける」
ニコは瞳をキラキラ輝かせて頷いた。
「見てるの?!」
「うん。面白いよね」
「でも。あなたオタク。じゃないよね?」
「面白いものにそんなの関係ないでしょ。けっこう見てるよ。前期アニメだったら推されの子とかその前ならビッチ・ザ・パンクとか」
「わたしも!みてた!びっちちゃんにすごく共感した!」
「あれ楽曲がすごくいいよね。ボーカルは女の子だけど、俺はカラオケで良く歌ってる」
「そうなの?!聞きたい!」
「でもあそこ酔っ払いどもにマイク取られちゃってるからなぁ。そうだいいこと思いついた」
俺はニコの手を引っ張って近くの空いているカラオケルームに入った。そして店員を呼んで。
「この部屋借りますね。これお金」
ニコに見えないように万札渡して部屋を取った。そして俺は噂の楽曲さんをカラオケ機に入れる。
「あの…。部屋。戻らないと…」
「帰り際に戻ればいいじゃん。俺も君に聞いて欲しいんだ。俺の歌」
そして俺は歌を本気で歌った。ニコは目を輝かせていた。楽しそうに俺の歌を聞いてくれている。そして曲が終わるとぱちぱちと大きく手を叩いて拍手してくれた。
「じゃあ次は一緒に歌おうよ」
カラオケの機械を持って、俺はニコの隣に座る。彼女はアニソンコーナーのタブを開いてページ送りしながら俺の顔をちらちらと見る。
「言い忘れてた。俺は綾木令司」
そして曲を入れて。
「わたしは氷室
二人で曲をデュエットした。さらに次はニコが一人で歌い。その次は俺とニコが交互に歌詞を歌い。ひたすら好きなアニソンを楽しみ続けた。
思い出せた!フルネームは氷室和だ!良かったー名前さえ知らずにやっちゃってたらクズオブクズである。せいぜいクズどまりで良かった。
「はぁはぁ…すご。かった」
俺とニコは風呂から上がったあと、もう一回プレイした。そして気だるげに二人で横になっていた。というか二人とも酒が抜けてしらふでいるのに、まじでセックスとかいう非生産的でいろいろめんどくさいことをやってるあたりバカなのかもしれない。だけどどうしてここに来たのかがまだ思い出せない。俺は彼女の胸に顔をうずめながらまた記憶をたどる。
そして二人で盛り上がっているときに、ニコのスマホが鳴った。ニコはびくっとしてすぐにスマホを取った。
『いまどこにいるの?トイレ?もう二次会も終わりでみんな解散するんだけど』
「あの…。その…」
ニコはあわあわとしている。だから俺はスマホのメモ帳アプリを出してそこにこう書いて彼女に見せた。
【退屈だったから先に帰った】
それを見てニコはスマホに向かって言った。
「退屈。だから帰った」
『え?そうなの?そうなんだ。じゃあ夜にいつも通りお話しようね』
なんだ?いつも通りお話って。ニコは渋そうな顔になったが。
「酔ってる。から。もう寝る」
『そっか。わかった。じゃあまた明日ね』
それで電話は切れた。どこかニコはつまらなそうな顔をしている。それを見て俺は。
「ちょっと飲みなおさない?まだ俺は君と楽しみたい」
これは本気で言った。だってカラオケは実際に楽しかったし。ニコはしばらく逡巡していた。なんとも微妙な顔をしている。自分では何も決められない人間がやりそうな顔だ。
「ところで何処住まい?」
ニコは不思議そうな顔で俺を見ている。質問の意図を図りかねているようだ。
「たちかわ。だよ」
今飲んでいる新宿からは少し遠いけど、まだ終電は余裕だ。
「そっか。でもまずいね。今帰ると誰かと電車でばったり会っちゃうかもね」
それを聞いたニコは目を見開いた。
「さっきの。うそ。バレちゃう」
「うん。バレちゃうだろうね」
ニコは俺を何か期待するような目で見詰めている。だから言ったのだ。
「じゃあ誰にも会わない時間まで一緒にいようか」
そしてニコは頷いた。
それで終電を超えるまでバーで二人で飲んで、帰れなくなったニコに俺はキスをした。そして拒まれなかったから、そのままラブホに連れ込んで今に至るのだ。酔った自分のゲスさがヤバい!てか酔いが抜けて思い出したけど、この子の顔みたことあった。学内じゃ有名なオタサーの姫じゃん。今日のこのこと知られたらいったい何人の脳を破壊することになるの?そう考えると俺は頭痛がいたいのであった。
【後書き】
いえーい!
前髪バッテン略清潔感はある略誠実さがとりえのオタクくん!
君の大事な幼馴染はぁ…。
酒の勢いでヤっちゃいました(´・ω・`)ゴメンネ
すまん。ほんとごめんね。
まぁ大学ならあるあるかなって。
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