初めてのヒト
「私…初めてなんです…」
「大丈夫、痛くしないから」
「怖い…」
「僕を信じて」
「…」
「力抜いて」
潤んだ女の目を見つめる男の顔はどこまでも優しい。
恐怖と緊張で硬直する体をゆっくり倒された女は僅かに震えている。
「大丈夫だよ」
優しく微笑みかける男。
「あ…」
思わず声が漏れてしまう女。
「もう少し開けられるかな?」
「…?」
「うん、そう、いいですね」
「…っ、…」
初めての痛みに顔を歪める女。
「ごめんね…少し痛かったかな」
「大丈夫です…」
痛みに耐えソレを終えた女はどこか満たされた表情。
「思ったより痛くなかったです」
「なら良かった」
男は安堵の笑みを浮かべる。
「ありがとうございました」
「またおいで」
これからあと何回この関係が続くのだろうかと思いながら女は部屋を出る。
柔らかいソファーに凭れ余韻に浸っていると名前を呼ばれた。
「次回はいつにしますか?」
「えっと、来週月曜の17時半は大丈夫ですか?」
「…はい、大丈夫ですよー」
「では、お願いします」
「お大事に~」
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