第2章⑤

「そういえば、ケイは向こうの世界で何してたの?」

鈴はケイにそう尋ねた。ケイはフォトニアでのことを話し出した。

「簡単に言えば、俺は剣士で魔王と戦っている…的な。」

なるほどと鈴は頷きながら静かに聞いた。

 ケイの話によると、ケイの住む町では昔から魔王がおり、魔王は長年町大きな災いを起こしてきた。町の人々は魔王をずっと恐れて暮らしており、魔王を倒すためにケイは仲間と戦っているらしい。それがケイたちの使命だということだから。

 鈴はその話を聞き、なんだかファンタジーの世界の話みたいだと思った。それをケイに伝えるとどうやらケイはファンタジーというものを知らない様子だった。鈴の住むこの世界では魔王とか剣士とかは実際にはいないから、そういうお話は『ファンタジー』そう言われる。鈴からそう聞きケイは鈴に尋ね返した。

「こっちには魔王と河合ないんだな。じゃあ魔法とかもない?」

「うん。そっちはもしかしてあるの?」

「ああ。俺は使えないけど、大切な仲間が魔法で一緒に戦ってくれるんだ。」

鈴はケイの世界には魔法もあることに少し驚きながらも「なんかすごい」と関心した。

「そう言えばさ、話変わるけど魔王はどんな災いを起こしてきたの?」

 鈴はケイに聞いた。ケイはゆっくり口を開いた。

「それは、俺にはわからないんだ。」

 ケイはそう一言呟いた後、続けて話た。

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