第34話

そんな毎日の中、大学2年生のこの時期に思い出せたのは、本当に偶然としか言いようが無い。



何気なく、授業中ぼんやりしている時に、急に思い出したんだ。




「あっ!!」




私が思い出したように言うと、隣で寝ていたトウヤがビクッとして、起きた。



「何だよ!?」


「何でもない!」



寝起きで機嫌の悪そうなトウヤに慌てて否定する。



私に起こされてしまったトウヤは渋々、教科書を広げ始めていた。









『じゃあ半年後!半年経ったら開けていいよ。』






最後のデートでまーくんが言っていた言葉。



確かあの時、私にテディベアをくれて、そしてテディベアが持っていたカバンの中に紙が入っていたんだ。



私がそれを開けようとしたら、まーくんに遮られて…



半年経ったら開けていいって…




どうして私、こんな大事なこと忘れていたんだろう。



(私のバカ!!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る