第3話
みんなで円になって芝生の上に腰をおろす
ライオン「ところで悠斗はこんな真夜中に
何してたの?」
悠斗「仕事が終わってドライブでもしようと
思ってさ。そしたら目の前に君が
現れたんだ」
キリン「いつもこんなに遅いの?」
キリンって座っても高いんだなぁ…
悠斗は上を見上げながら答える
悠斗「最近は残業ばっかでさ、
やってらんねぇよ」
ゾウ「好きなのか?」
悠斗「え?」
ゾウ「その仕事好きなのか?」
悠斗「分かんねぇ、今は」
ライオン「今は?」
悠斗「いや、最初は車が好きで
自分がやりたくて初めたことだったけどさ。
全然うまくできねぇし、ミスしてばっかで。
その仕事好きかって聞かれたら分かんないや」
サル「辞めたいのか?」
悠斗「そう聞かれるとそうなのかも…」
悠斗の顔はだんだん曇ってゆく
俺の話なんかどうだっていいんだよ…
悠斗「お前らこそ何で脱走したりしたんだよ!
今頃、街中大騒ぎになってるよ。
動物園の人達も必死になって
探してんじゃねーの?」
ゾウ「外の景色を見てみたくてな。
俺達は動物園から1度も出たことがなくてな」
悠斗「そうか…」
ライオン「別に全然幸せなんだよ?ずっと動物園の
中にいても!でも1度くらい外に
冒険しに行ってみたいなぁーって。
みんなで相談して今日決行することに
したの」
カピパラ「悠斗?」
悠斗「ん?」
カピパラ「今何考えてた?」
悠斗「何って…ちゃんと話聞いてたよ」
レッサーパンダ「仕事のことだろ。仕事のこと
考えてたろ?」
悠斗「あぁ…ばれてた?」
ライオン「ばればれ!分かりやすすぎるのよ。
もう!人の話ちゃんと聞いてよね!」
悠斗「悪い……仕事のことが頭から
離れないんだ」
ライオン「その気持ちは分かるわ」
悠斗「え…?」
ライオン「あたしも毎日明日はどうやって
お客さんを楽しませようか
考えてるもの」
それは俺の気持ちとは全く別だよ…
ゾウ「俺とは違うって今思ったな?」
図星すぎて俺は下を向く
ゾウ「確かに悠斗が明日の仕事のことを考えてるの
は後ろ向きな気持ちだもんな。
俺達は前向きな気持ちで明日のことを考えてる」
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