この恋は運命ですか。
佐々木 光
第1話 後悔
僕は人生で二つ後悔したことがある。一つは、大学に入学して初めて入ったバイトがブラックだったこと。そしてもう一つは、彼女に出会ってしまったことだ。
大学3回生に進学してすぐに、僕、金本 光はカナダへ4ヶ月の留学に旅立った。カナダに到着してすぐに、目に映る多くの外国人と英語表記の看板が、僕を奮い立たせた。そんな興奮と緊張を味わっている最中、横から強い衝撃に襲われた。
「光、タバコ吸いに行こうぜっ。」
修学旅行にでも来たかのようなテンションで僕に突進してきた金髪の男は、江ノ下 源という、今回の留学に一緒に参加した大学からの友人だ。仕方なく同じ留学に参加している子たちに荷物を見てもらい、カナダに着いた感動を心にしまって一服する。再び空港へ戻ると、提携しているカナダの大学のスタッフが僕らを寮まで案内してくれた。寮は四人一部屋で、源も同じルームメイトだった。残りの二人は源の友人で、
辰巳 涼と澤村 爽という。『類は友を呼ぶ』という言葉があるが、彼らも源と似て、テンションの高い子たちだ。この4ヶ月はきっと毎日賑やかになるだろうと、深くため息をつきながら荷物をしまい、すぐにベッドへ入って疲れを癒した。
「起きろー!!クラブに行くぞ!飲むぞ!」
とさすが大学生と言わんばかりのテンションで三人に強制的に起こされる。時差ボケもあり、明後日から大学の授業が始まるというのに、この元気集団に連れられダウンタウンへと赴く。正直、僕自身もクラブに興味があるというよりは、海外の夜の街並みや海外という未知の世界への高揚に駆られて着いて行った。
そのクラブで僕と彼女は出会った。いや、出会ってしまったのだ。
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