第9話

バタバタと彼を探して駆け回るのは広い広い和風な家の中。





磨かれた長い廊下や綺麗な襖。




家の中心に配置されたお庭は手入れが行き届いていて、小さな池には優雅に鯉が泳いでいる。




縁側から見るお庭は桜だったり紅葉だったりと四季それぞれに見所があって。




そこで聞く風鈴の音や鹿威しの音が、私は大好きだった。





————彼と並んで見る四季が、大好きだった。

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