第2話

私がその知らせを聞いたのは、カレンダーを六月に捲ってから暫く経った日のことだった。








現在勉学に励む学生の私だけれどこの日は学校が休みで。




特に予定もなかった上に雨が降るとすぐに起きる偏頭痛の所為で体が重たくて、私が目を開けたのはもう昼を過ぎた頃だった。




「あ、ちょうどお目覚めでしたか?」




十二時を少し過ぎた時計を見て、覚めきらない目を何度かパチパチと瞬きさせて声のする方へ視線を移すと視界に入るのは一人の熟年の女性。




「…八重さん、おはようございます」


「ふふ。もう"こんにちは"の時間帯ですよ、撫子様」




八重という名の、この家の家政婦である彼女。

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