第2章39話:待ち伏せ

手に入れた弓と矢はアイテムバッグに保管しておく。


(これだけ矢があれば、ラッガル討伐はもちろん、領主討伐までつ)


ひとまず欲しいぶんは確保できた。


あとレベルアップもできた。


ステ振りについてだが、以下のようになっている。




◆◆◆


名前:ロッシュ

年齢:37歳

適性職:剣士

階級印:第十階級

ユニークスキル:なし


レベル:15

攻撃力:30

防御力:10

敏捷力:9

魔力:5


ステータスポイント:0


装備

 ショートソード:攻撃力+7

 腕力のリング :攻撃力+5


◆◆◆




レベルが11から15に上がった。


得られたステータスポイントは12。


このポイントは全て攻撃力に振ったことで、俺の攻撃力は30に達する。


さらに腕力のリングによって攻撃力をアップさせ、俺の攻撃力の合計は35になっているわけだ。


ミノタウロスアーチャーの弓を扱うための必要攻撃力は29なので、余裕で使うことができる。





夜。


魔物が来ない安全地帯にて、野宿をする。


リダ高原の東の端にある、周囲を岩壁に囲まれた場所である。


テントの中で、ラミアリスと語り合う。


「弓矢は十分集まったわね」


とラミアリスが言った。


「ああ。これでしばらく保つ」


と俺は応じつつ、さらに告げた。


「明日はラッガルを討伐しにいくぞ」


「わかったわ。なら、今日はもう休みましょう。たくさん狩りをしたから疲れたわ」


「そうだな」


俺も疲れた。


だから話を打ち切り、横になる。


すぐに睡魔が訪れ、眠りに落ちていくのだった。





翌日。


朝。


テントを片付けた俺たちは、リダ高原から移動を開始する。


リダ高原を抜ける。


朝から夕方まで歩き続け……


【フレイダ平原】にたどりつく。


ここにはフレイダ街道と呼ばれる街道がある。


ラッガルを乗せた馬車が、この街道を通るのだ。


俺は街道のそばにスタンバイする。


街道かいどう沿いに高台たかだいがあって、雑木林ぞうきばやしが広がっている。


その雑木林から、街道を見下みおろすことができるのだ。


通りかかった馬車を監視するには、ちょうどいいポイントである。


時間帯じかんたい的には、ぎりぎり間に合ったはずだ)


雑木林から街道を眺めながら、俺は思った。


すでにラッガルの馬車が街道を通り過ぎてしまった後だったら、俺たちの襲撃作戦しゅうげきさくせんが始まる前に頓挫とんざすることになる。


しかし、たぶん間に合ったはずである。


俺はそう信じる。


「あ、来たわよ! あれじゃない?」


とラミアリスが声を上げて指差ゆびさした。


俺は視線を向ける。


ラミアリスの報告通り、街道の向こうから馬車がやってきていた。


ルーカー監視兵かんしへいの旗が立った青塗あおぬりの馬車である。


間違いない。


ラッガルの馬車だ。


「アレだな。よし、弓を準備しろ」


「了解」


すでに俺は、ラミアリスに作戦を伝えてある。


あとは作戦さくせんどおりに事を進めるだけだ。


――――馬車が近づいてくる。


馬車には護衛の兵士が5人いた。


2人が男。


3人が女。


あとは御者ぎょしゃの男だ。


馬車の中には、兵士長とラッガルもいるだろう。


つまり敵の数は合計で8人である。


もちろん皆殺しにするつもりだ。




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