第15話
入園してから保護者会の案内があった。
保護者会?
PTAみたいなやつ?
わずらわしそうだから、やめとこう😂
私は、誰にも聞かず、普通にスルーした。
後からわかったのだが、この保護者会に入っていなかったのは、大勢いる中で私1人だったらしい💦💦
なので、親子イベントの芋掘りとか、親子親睦会の事が家だけ知らなかったり、クラスのグループラインにも1人だけ招待されていなかった。
子供から、芋掘り行ったんだって〜って聞かされても、何人かの仲良しグループさんが行ってるのかな?と、思う程度で気にしていなかった。
なぜなら、入園してすぐ、私は、フルタイムで働き、子どもが何をしてるのか、ほとんど気にせず過ごした。
上田さん,長田さんとも疎遠になり、幼稚園のお迎えは、最終時間の延長保育で会う数人に、たまに出くわす程度。
子どもとの会話も少なく、娘は、ほったらかしにしていた。
下の娘も付属の保育園に入れたので、まだしゃべれない下の娘は、もっとほったらかしだった。
そんな中、久しぶりに顔見知りの保護者さんに会った。
「ねえ。あんた、悪い噂たってるよ?」
「悪い噂?子どもが?私が?」
「ママの方ね」
ん?ほとんど保護者の接触がない中、どうやって噂が?
「仕事が休みの土曜日に、子どもを、預けてるとか。子どもが病気なのに,分ってて子ども預けてるとか。幼稚園はボランティアじゃないからね!」
と、そのセリフを言ったまま、帰っていった。
え。
ちょっと待って?
子どもが病気の時は、病児保育に連れていってるし、土曜日も出勤だよ?
確かに、何度か熱を出して呼び出された事は、あったけど、それは、途中で体調悪くなって…。っていう事。
そんな人いっぱいいるんじゃないの?
私誤解されてる?
これって、噂ってことは、大勢の人が、そう思ってるってこと?
血の気が引いた。
私は、久々に、娘に幼稚園の話を聞くことにした。
「幼稚園でお友達と仲良くしてる?」
「うーん。いっつも絵本読んでる。」
「前よく遊んでたいろはちゃんとか、ゆうちゃんは?」
「鬼ごっことか、ママごっこしてる」
「一緒に、遊ばないの?」
「いろはちゃんとか、ゆうちゃんのママがお迎えにきた時、私と一緒に、遊んじゃダメって言って、いろはちゃんも、ゆうちゃんも叱られてた。で、何回言ったらわかるの?って、怒られてて…。それから、遊ばなくなった。」
「…。ほんと?知らなかった。ごめん。」
私は、胸が痛くなった。
自分が、ほったらかしにしてる間に、私に向けられる意地悪というか、いじめが、娘の方にいったのだ。
コレは、よくある話で、親の好き嫌いは、子どもに向けられる。私は、先生に預けてる限り、幼稚園では大丈夫だろうと勝手に思い込んでいた。
「ママ。私、絵本好きだから。良いよ。」
子どもが、気遣ってくれてるのが、わかった。私より、よっぽど大人で、いろんな背景を察知して、気を使ってくれている…😂
幼稚園は、途中で簡単にやめる訳にもいかない。
でも、辛い思いをさすのも違う。
翌日、珍しく担任の先生に声をかけた。
「家の子、園では、どんな感じですが?楽しそうですか?参観日で、少しの時間観させてもらった時は気づかなかったんですが、1人でいることが多いようで…。」
「そんな事無いですよ〜✨
控えめなので、先頭をきって騒ぐ〜とかは無いですけど、いろんなお友達と、話したり、遊んだり、楽しそうですよ〜。心配ないです👍」
そうかあ。思ったほど、深刻じゃないのかな…。
後で、副担任の先生にも聞いてみた。
「家の子、園では、どうですか?」
「…。言い出しにくいんですが…。最近、誰とも話さず、部屋の隅っこで、絵本を読んでるフリをしながら、周りをすごい目つきで見ている事があります。ご家庭で何があったか知りませんが、子どもさんを大切にしてあげて下さい。精神的に追いやられてるように見えます。」
ん?やっぱり、1人で寂しそうにしてる。この人の言ってることの方が信憑性ありそうだけど、家の中が原因って思ってる?
私のせい?
いやいや。
家の中が原因じゃないよ?
家の中では、普通に過ごしてる。
そもそも、仕事終わってから、ご飯食べて寝るだけで、会話は少ないけど、何か問題があるレベルではないはず…。
「そうですか…。家では、普通に過ごしてて気づかなかったです。何か気になることがあれば、言ってください。いつもありがとうございます🙇」
とりあえず、そう言って、立ち去ろうとすると、
「お母さん、こう言っては何ですけど、お仕事辞められるのもひとつの手ですよ?子どもと家で過ごす時間が多ければ多い程、子どもは、まっすぐ成長します。良ければ、しばらく幼稚園を休まれてみては?」
え。
ちょっと、どういう事?
厄介に感じる存在だから、園に来るな。と?
「スミマセン💦💦
幼稚園の中で、お友達や先生と触れ合ってほしいのと、私が働かないと、この幼稚園のお月謝を払えなくなってしまうので、ごめんなさい🙏✨
頑張って仕事をしますので、娘の事をよろしくお願いします🙏✨」
何とか、きちんとしたコメントができたと思う。
はらわたは、煮えくりかえっているが…。
そもそも、この園のお月謝だけで、娘2人で月10万近く掛かる。
働いてるお給料の大半は、お月謝だ。
後に、娘2人が卒業後、幼稚園無償化と言って無料になったのだが…。
私は、この幼稚園に卒園まで数百万円お支払いするのだ。
もっと、良い対応をしてもらえないか?と、思ったが、あまり、先生の機嫌を損ねて、先生までも子どもをいじま始めたら困る。
幼稚園の先生でも、好き嫌いで、子どもの扱いが違ったりする。
熱心な保護者さんは、先生の誕生日に、プレゼントを渡したりするそうだ。
子どもを人質に取られてるような状況。
私の出方次第で、子どもが何をされるかわからない。
私は、しばらく様子を伺うしかないな…。と、思い、心配ではあるが、少し様子見とすることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます