第35話

教室に着くと、華は囲まれていた。


俺は背が高いほうだから、困っている華がよく見えた。


キーンコーンカーンコーン


皆を静めようとしたが、俺の出る幕もなくチャイムで、

皆はしぶしぶ自分の教室や席に戻って行った。


「はーい、皆、おはよーう」


と、こちらもかなりイケメンの、

如月先生が入ってきた。


サーっと塊が無くなったその中から、

ヘトヘトになってる華が、俺の隣の席に戻ってきた。


「マジであれでいいの?」


「わかんない」


「わかんないってなんだよ…」


そんなんで、付き合うのが普通なのか?


だったら俺が、馬鹿みたいじゃないか。


「まっ、大丈夫でしょ!」


いつもは元気をくれる華の明るい声が

今は少し嫌だった。

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