第38話

「ナイツプラスにはサンに乗って欲しいです」

「ナリユキ殿、もし理由があれば言って欲しい」


 勘と答えても済まされるだろう。

 でも僕はサンに自信を持って欲しい。

 だからこそナイツプラスにサンを選んだ理由を偽りなく話す。


「まず前提としてどちらがナイツプラスに乗っても活躍すると思います。ですがその上でサンを選んだ理由は複数の杖による魔法弾の連射性能です。対してスノーが使う氷の塊や氷の雨を降らせる攻撃は強力ですがチャージに時間がかかります。そして発射の反動も大きいです」


 王様が頷く。


 スノーだけでは突撃して来る敵に対処しきれない可能性がある。

 それを言う前に王様は僕にいたい事を理解したようだ。


「サンとスノーには連携して動いて欲しいです。もし性能の高いナイツプラスをスノーに乗せた場合サンの後衛に位置して欲しいスノーが前に出るか動きをセーブする必要があります。そうではなくサンをスノーの前に出して急接近する魔装ゴーレムをけん制してその上でスノーが氷の塊を発射する戦い方が僕としては助かります」


「うむ、ファインはどう思う?」

「賛成です。加えて言えばスノーはすでに白ウォーリアで成果を上げています。サンもナイツやウォーリアに杖をいくつも装備させ改造する事で活躍させることは出来なくはありませんがそれよりは最初からナイツプラスに乗せる前提で改造を施す方が効率的でしょう」


 ファインさんはしっかりと理由を考えて用意していたんだ。

 僕がうまく想いを言語化出来なかった場合に備えてくれていたんだ!


「うむ、パラディンであるナリユキ殿と騎士隊長であるファインの言葉なら信頼できる。サンよ、自信を持つのだ。サンは皆を救っている」

「うう、うえええええええええん!」


 サンが号泣する。

 立ち上がってサンに駆け寄るとサンが僕に抱き着いた。


「おほん、会議は終わりだ。休憩とする……後は若い者に任せて私は退散するとするか」



 王様の言葉に僕とサン以外が出ていく。

 まるでお見合いの場面で両親が退席していく時の流れと同じだ。

 でも、みんな出ていくっておかしいと思う。


「私も急用を思いだした」

「……」


 ピュアに急用なんてあるはずがないのに出ていく。


 サンが泣き止むまで抱きしめる。

 落ち着き2人で会議室を出るとみんなが別の会議室に入って行った。

 会議はまだ終わっていなかったんだ。

 王様が空気を読んで気を使ってくれている。


 サンが僕の手を握った。

 サンの顔から不安が消えていた。

 サンが元気になると僕の気がかりが消えていく。


 代わりに性欲が沸き上がってくる。

 サンの笑顔に、そのバストに目が行ってしまう。


「一緒にお風呂に入りませんか?」

「ふぉ!」

 

 ここで断るのはダメだ。

 これはサンの為、いや、違う。

 僕は、一緒に入りたいんだ!

 サンが僕の顔を覗きこむ。


「ダメ、ですか?」

「ダメじゃっ! 無いです!」

「良かったです。行きましょう」


「はあ、はあ、うん。ドキドキしてきた」

「私も、ですよ」


 2人でお風呂に向かって歩く。

 すべてのお風呂が開いていて2人でお風呂の更衣室に入った。


 サンがスライムスーツをブレスレットに変えると裸になり胸がプルンと揺れた。

 僕もスライムスーツを解除した。


 2人で体を洗う。

 サンが僕の体を洗いましょうか? と聞いたけど今は自分で体を洗いたかった。

 さっきまで落ち込んでいたサンに奉仕をさせるような真似はしたくない。

 でも性欲は臨界点に近い。


「ナリユキさんが転生してすぐの時、2人でお風呂に入った事、覚えてます?」

「覚えてるよ、ドキドキした」


 2人で体を洗う。

 ちらっと横を見るとまるでマシュマロのようなサンのバストを手で洗っている。


 体を洗い2人でお風呂に浸かった。


「……」

「……」


「あの時、ナリユキさんとスルつもりだったんですよ」

「そっか、ん? ええええ!」


 サンがお風呂の下で僕の手を握った。

 そして体を寄せる。


「この後、ナリユキさんのお部屋に行っていいですか?」

「……ん、んと」


「2人で1つになりたいです」

「はあ、はあ、はあ、ちょっと待ってね、ドキドキししてしまって」


 サンにここまで言わせたんだ。

 スライムスーツを精密操作すれば避妊できる。


「……私じゃ、ダメですか?」

「はあ、はあ、ダメじゃ、無いです!」

「良かったです、私じゃダメかなって、心配していました」


 サンがお風呂から出て手を差しだす。


「お部屋に、行きましょう」


 サンの手を掴んでお風呂に引っ張った。

 サンがお風呂に落ちる。


「え? え?」

「ごめん」

「ダメ、ですか?」


「違うんだ。逆だから!」

「えっと」

「もう、我慢できない。ここで!」


 スライムスーツを股間にだけまとわせた。

 サンを抱き寄せて唇を強引に奪った。


「んん! ふうう、あふ、くちゅ!はあ、はあ、あふ!」


 そしてお風呂場でサンと、


 1つになった。


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