第5話

「でもその人はいくら待っても来てくれなかったんです」



「えぇ〜?恋を振るって、どんな女なの!?」



白い肩が出るほど露出の多いミニドレスを着た女がシャンパングラスを片手に、僕の腕へと胸を押し当ててくる。



「あはは、実は顔とかはもうハッキリと覚えてないんですよ。かなり幼い頃のことなので」



「小学生くらい?」



「ああ〜…そのくらいかもしれないですね」



「その好きな人は、同い年の女の子?」



「いえ、年上でした」



女は僕の答えを聞くと、一度パッと僕から体を離すと、耳障りな高い声で大きく笑いだした。

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