第3話
「牡丹様、こんにちは」
牡丹はああ見えても本家の血筋で、現当主の実の息子。
だから分家の僕はあの頃、牡丹を"様"付けしていた。
「こんにちはじゃない!お前は一体何をしてるんだ!そんな状態の人間に、一族の薬なんて飲ませたりしたら死んでしまうぞ!」
そんなことは知っている。
彼女に教えて貰ったから。
だから彼女は僕に"もうしないで"と約束をたてさせたんだ。
でも僕はもう十分に待った、
彼女が僕に逢いに来てもくれないし、僕が彼女に逢いに行くことも出来ないのなら、
彼女が僕の所へと"来ざるを得ない"状況を作るしかない。
これでやっと会える…
ずっと、ずっと思い描いていた彼女に。
「牡丹様!僕は薊との約束を破りました、これでやっと彼女に会えますよ!」
僕は嬉しくて嬉しくて思わず笑みが溢れた。
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