目覚めたらぬいぐるみになっていました。〜恋〜

椿

第1話

好きな人がいた。



ずっと、ずっと会いたくて、



ある時、僕は彼女との約束を破った。




どうしても彼女に会いたかったから。



だけど彼女は現れなかった。



「な、なんで…!?なんで、なんで、なんで、なんで!?」



僕は横たわる人間の口に大量の薬を押し込んだ。



「来るって言ったんだ、こうすれば僕に…僕に針千本飲ませに来るって…!言ったんだ!!」



夢中で人間の口に薬を押し込んでいると、ふとブチブチという音が聞こえた。




その音に僕はハッとしてぐったりと項垂れる人間の顔を見ると、人間の頬から僕の突っ込んだ褐色の手が突き抜け、ザラザラとせっかく詰め込んだ薬も溢れ出してしまっていた。

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