堕天使ちゃんは善行します!

ゆにくろえ

第1話

堕天使の少女は堕天してしまった。数々の悪行を犯し、堕落した行為を頻繁に行い、天使界も人間界にも迷惑をかけ続けた罪。とても重い。


純白な天使の命と言われる翼は黒く染まり、飛行力も低下して空高く飛ぶのが困難になってしまった。

堕天使から天使に戻るには数々の善行を行い、天使界の上層部に認められば、元の天使に戻れるのだけど・・・


「どーせ、無理だよねー、私色々やっちゃったし、今更自分のまいた種を解消なんてできないよー、気ままに世界まっわろ~!くるくる~!」


堕天使の少女は元の天使に戻ることとか考えずに、自分のしたい事をすることに走るのであった。


* * *


ここはのどかな山あいの町・モゴル。

そこの冒険者ギルドで衝撃が走った!


「すごいですよ!全能力値とても高く、神に愛されるとしか言いようがないですねっ!すぐにSSランク冒険者も夢じゃないですよ!」


「別にいいかなー、普通の冒険者でも十分ですぅ」


SSランク冒険者になったら色々なところの依頼を受けなきゃいけなそうだし、めんどくさすぎる。失敗したら迷惑だししたくないですぅ!

よってのんびり自分のペースで人々の手助けが出来ればいいかなって。


「ってわけで、普通の冒険者希望ですぅ、初心者冒険者と冒険したいですぅ」


「わかりました」


というわけで、私は冒険者登録したですぅ。

職業はアークプリースト、サブ職業はミンストレルにしようかなー。歌を歌うのが好き。色々な歌歌ってアイドルになりたいかもしれないですぅ。


こうして依頼のゴブリン退治と薬草摘みを受けた。

低ランクの冒険者の依頼の定番らしい。ゴブリンはそんなに活発じゃないらしいけど、これってフラグになったりしないよね?大丈夫だよね?


「紫髪の子かぁわいい、君ー!わしらのPTに来ない?」


「一緒にPT組んでくれるの?ありがとですぅ」


ハゲおっさんとチンピラ3人っぽい、弱そうな冒険者にイキリ襲い掛かるテンプレ系かな。可愛い私を囲うって良いんじゃないかな。

こうしてこの冒険者の先輩さんたちとリザード&ロックゴーレム退治の依頼に行く事になった。

薬草摘みとゴブリン退治は一先ずお預けかな?


「みんな頑張って~!」


とりあえず、私はミンストレルのスキルで歌う事にした。歌で応援。攻撃力のバフ能力の歌を歌うよ!

なーにもしないで寄生しても悪いし、歌を思う存分歌っちゃうですぅ!


ゴーレムと先輩さんたちの戦いをじっくり観察しながら、歌を歌う。

先輩さんたちはいつもよりもいい感じにゴーレムを倒せるようで、私もみんなのためになったかなーって思ってたら、ゴーレムの奇襲。

ロックゴーレム3体以外にミスリルゴーレムもいたらしい。

ミスリルゴーレムの一撃で先輩たちみんな大怪我おっちゃった。


「そ、そんなー。みんな倒れちゃったなんて・・・ね ヒールストームっ!」


ハゲを起点にしてハゲとその周囲の人間全員を回復する魔法ヒールストーム。

アークプリーストの魔法の中では中々良い魔法。

更に私はパッシブスキル:キュアヒーリングを習得していて、状態異常を治すキュア系の習得してる全ての状態異常を同時に治せる。

治す難易度が低い(キュア系の魔法で治せる)状態異常なら回復しながら治せるの。


ハゲたちの大怪我は一気に完治した。


「ハゲ先輩をボコボコにしたの許せないですぅ!天使の輪よ、包み込め~!エンジェリング!」


天使の輪がミスリルゴーレムを包み込み、爆発した。ミスリルゴーレム撃破ですぅ!


「俺たちを助けてくれて、更にミスリルゴーレムまで倒すなんて、あなた様はまさしく天使様に違いない!」


「べ、別にこれぐらい当たり前ですぅ。私をPTに入れてくれた先輩の為に助けてあげるのは当然ですぅ」


このハゲはCランク冒険者で素行の悪い冒険者だったらしい。

色々問題起こしたりしてる冒険者だけど、腕には実力がある感じだった。

天使こと私に感化されたのか、悪いことをするの控えるようにして数か月でBランク冒険者になったらしい。実力は十分あったので、心を改めればいい感じになるってことなんだろうねー。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る