第25話 改めて藤棚にて作戦会議①

 桃李は、尻もちをついたまま目の前の五人を見渡す。


「全く気づかなかったんだけど」


 共感。めっちゃ共感。

 だって僕も散々な目に遭ったから。

 腹たったよな!? そうだよな!?


「おもろ」

「なんでやねん!」


 思わず桃李の胸に突っ込んでしまった。


「腹立つだろ!」

「俺はそんなみみっちい人間じゃないから」


 ぅがっ!

 だから、なんで皆んな揃って僕に言葉のナイフを突き刺すのだ?


「それはそうとして、桃李くん、秘密基地へようこそ〜!」


 八木が大きく手を広げて、藤棚と、そこにいる皆んなに手を向ける。

 桃李は皆んなと、周りを見渡す。


「桃李くん! こっちおいで!」


 八木は、藤棚の中にある長い椅子へ桃李を手招きする。

 手招き、つまり、

 これは僕の憶測おくそくに過ぎないが、八木、お前桃李のこと好きだろ?

 そうじゃなかったらマジで、コミュ力お化けの他に八木という人物の表現方法が無くなってしまう。

 いや、桃李のことが好きだったら、なおさらコミュ力お化けじゃないか。

 じゃぁ、八木はコミュ力お化けってことか。

 納得。

 納得?

 うん、納得(無理やり)。


「え、あ、じゃぁ……失礼します……」


 ほら、桃李も困っちゃってるじゃないか。


「桃李クン、困惑の表情が隠しきれてないよ?」


 菜花、それを言うんじゃない。

 本人が一番困ってる状況なんだから。


「吉岡くん、菜花のこと……」

「あわわわわわ〜〜〜!」


 長谷川!?

 続く言葉に嫌な予感がした僕は、慌てて長谷川の口を閉じる。


「モゴモゴ◎$♪×△¥○&#$!?」


 長谷川が藻掻もがくので、僕は手を離す。


「ちょっと何すんのよ!?」


 理不尽にヘイトを買っても仕方がないので、僕は長谷川に小声で話しかける。


「長谷川、今なんて言おうと……」

「そりゃぁ『吉岡くん、菜花のこと、好きやん』って」

「アホぉ!」


 なんでそれを言おうとする思考に至るんだよ!

 おかしいだろ!

 すると、長谷川は「ふふっ」っと笑い、八木達の方を見ながら呟く。


「それは私の勝手な考え。本当は『吉岡くんって、菜花のことり、見たことあるの?』って言おうとしただけっ。確か菜花って小鳥、飼ってたでしょ?」

「だからなんでやねん!」


 まともな人が居ない……。


「っていうか、それ言って何になるんだよ……」

「どうせ天ヶ瀬くんが止めてくれるのが分かってたから、ちょっと君を焦らせようとして言ってみただけ♪」

「…………」


 ……僕が先走っただけって事か。

 ムカつくけど、僕が悪いから何も言えない。

 こっちだけでゴニョゴニョ言っていると、椿が言い出す。


「そういえば昼言ってた、『諦めたくないんだろ』って……つまり?」

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