第23話
「ええええ! あらまあっ! あらあら、どうしましょう!」
陰キャな玉美とは真逆でテンションの高い彼女――それは玉美の母親であった。
とある休日、突然玉美が同級生の男子を家に招いたことで大騒ぎする母。
今日はアレスが考案した《猫の言葉を翻訳してみたにゃ》のライブ配信をする日であった。しかしアレスは猫を飼っていなかったため、仕方なく玉美の家で撮影することにしたのだ。
「お母さん、落ち着くです。こちらは同じクラスの黒神アレスくん。ちなみにだけど、お母さんが考えてるような関係じゃないですから。勘違いしないように」
「結婚の報告じゃないってこと?」
「それ、勘違いしすぎです!」
「あら残念。黒神さん、騒いでごめんなさいね。玉美の母です。いつも娘がお世話になっています」
「どうも。黒神です。はじめまして」
「狭いところですけど、どうぞ。まあ、それにしてもハンサムな方ねぇ」
「お母さんもお綺麗ですよ。私がこの国で出会った母親の中で五番目に綺麗です」
「あらやだ! お上手!」
「五番で喜ばないでください……。あ、そうだ、お母さん。今から部屋にこもって二人きりですることがあって、たまに変な大きな声とか出すかもしれないですけど、気にしなくていいです。決して部屋には来ないでください」
「……あらやだ」
「玉美。その言い方はどうかと思うぞ」
「……言い方? あ。いや、違うから! そういうことじゃないです! お母さんには、後で詳しく説明するです!」
玉美は顔を真っ赤にしながら、アレスの背中を押して二階へと逃げるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます