学びの心と、自由な空想

第20話 自分らしい表現を見つける旅

創作活動を続けていると、時に「これが本当に自分らしい表現なのか？」と立ち止まる瞬間があります。他の人の作品を見て感動し、影響を受けることもあれば、自分との違いに焦りや不安を感じることもあります。しかし、私はその過程自体が「自分らしい表現」を見つけるための旅だと気づきました。そして、その旅は、迷ったり悩んだりしながら進むからこそ意味があるのだと思います。

他人との比較が生む葛藤

創作をしていると、どうしても他人と自分を比べてしまうことがあります。「あの人の表現力には敵わない」「もっとこうすれば良かったかもしれない」と、自分に足りない部分ばかりが目についてしまうのです。特に、SNSや出版物などで他の人の作品を目にするたび、そのクオリティに圧倒され、自分の表現が劣っているように感じることもあります。

しかし、そのたびに思い出すのは、「表現は誰かと競うものではない」ということです。他人の表現は、その人だけの経験や価値観、感情から生まれたものであり、自分が同じように表現する必要はないのです。むしろ、自分自身の感じ方や考え方を大切にすることでしか、「自分らしさ」を見つけることはできません。

自分らしい表現の手がかり

私が自分らしい表現を見つけるために心がけているのは、「自分の内側に耳を傾けること」です。何に心が動かされるのか、何を伝えたいのか、何が自分にとって大切なのか。その答えを見つけるためには、自分自身と対話する時間が必要です。たとえば、日記を書くことや、気になるものをメモに残すことは、その手助けになります。

また、自分が心から楽しんでいるかどうかを確認することも大切です。「これを表現するのが楽しい」と感じられる瞬間は、たとえそれが他人には理解されなくても、きっと自分らしさの表れです。逆に、他人に認められることを目的に表現しているとき、自分の中に少し違和感が残ることがあります。その違和感を無視せず、自分の感覚に素直になることが、自分らしい表現を見つける近道だと思います。

試行錯誤の大切さ

自分らしい表現を見つけるには、たくさんの試行錯誤が必要です。最初から完璧な形で自分らしさを表現できる人などいません。むしろ、失敗や挑戦を繰り返す中で、自分の中に眠る「本当の声」が少しずつ浮かび上がってくるのだと感じます。

私も、これまでにさまざまなジャンルや手法に挑戦してきました。どれもが成功したわけではありませんが、その過程で「これは自分には合わない」「これは楽しい」と気づくことができました。そして、少しずつ自分が心から表現したいことが見えてきたのです。

表現の旅を楽しむ

「自分らしい表現を見つける」という旅に終わりはありません。私たちは生きている限り、変化し続ける存在です。その変化を受け入れながら、自分らしい表現もまた変わり続けるものだと思います。一度見つけたと思っても、それがまた違う形に変わることを恐れずに、表現の旅を続けることが大切です。

このエッセイを読んでくださる皆さんにも、自分らしい表現を見つける旅を楽しんでいただきたいと思います。他人と比べるのではなく、自分自身の感覚を信じることが、その旅を豊かにする秘訣です。そして、その旅が、あなたにとっての新しい可能性や発見に満ちたものになることを願っています。