早とちり

 「…なになに、彼氏ができたから、来週ここへ連れて来たい、だと?」


 昼食後、他の皆がそれぞれの位置で寛ぐ部屋の中、ジェスチャーで訴えてくる四女のミウに、ワイはそう聞き返した。


 しかし、まだ擬人化から日も経たぬうちに彼氏とは、ミウのヤツ、なかなかやりよるわい。


 まあ、ご覧の通りミウは、その魔女ルックもお似合いなクールビューティーだからな。モテるかも知れん。


 と、それはさておき…


 …アッという間に『来週』になった。


 で、とりあえずワイも含めて、皆よそ行きの格好でお迎え。あとはミウが、ここへ彼氏を連れてくるだけだ。


「…お寿司の予約はオッケー。それから食後のお茶にケーキに…」


 ぴんぽ〜んッ…(呼び鈴の音)


「お、きたかッ…」


 言ったが早いかワイは、すくと立ち上がるや、まもなくドアの前へ。


 そして、一同の視線を背に、セーフティロック解除おたくのビデオ参照ッ…ドアオープンッ。


「ようこそ、いらっしゃ…」


 にゃ〜ん…


 あ、どうも…って、ネコリアルかいッ。彼氏。


 いやま、その彼を抱っこしてニコニコのミウも、やっぱりそもそもネコだから…うん、不思議はないと言えばない…か。


 嗚呼、ワイの早とちり。 

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