第6話 ハードスケジュールな異世界転移
「嘘…だろ…」
背中を預ける様に管理コーンソルにもたれ掛かる俺は目の前に表示された情報を見て言葉を失う。
―――黄昏の
謎の物質で作られた最古の機械。 拠点拡張用の専用道具を使用するために必要な装備のひとつであり、一度装着されたものは二度と解除する事ができない。
エネルギーが必要で、活動限界を迎えると強制停止する。
主なエネルギー原は装者の満足度により変化する―――満足度とは主に装者の食欲・睡眠欲の事を指しそれらの基準値が高い程稼働時間が増幅。
勿論、専用道具を使用するたびにエネルギーは消費されるので注意である。
――黄昏の
専用道具の使用を制限し、あらゆる性能を攻撃力に極振りするモード。
攻撃性上昇と防御性能を向上させる高出力モード―――ただし攻撃を繰り出す度、防御をする度に莫大なエネルギーを消費するので要注意。
※ノーマルモードの役2倍のエネルギーを消費する為、継続的な使用には要注意※
――――――――――――――――――――――――――――
と表示された情報を見た俺は顔面蒼白状態である。
この力は使用するたびにエネルギーを消費し…そのエネルギー原は俺の満足度という”あまりにこの環境で皮肉が利きすぎた”性能に思わず頭を抱える。
「おい! 日本の環境になれちまった俺に対してなんていう拷問だ! 還せ! いますぐ地球に還せぇぇ!!」
『という事は、先ほどの…化け物―――今は、目の前で死んでいるそれはあくまでも予行演習という事でしょうか?』
「だろうな。 つ~ことは俺はアタックモードとやらを駆使して戦ってた場合…いまごろ」
『飢えていたと』
「間違いない…今は何ともないが、それはこの後答え合わせされることだろうな」
更にはあの化け物を倒した直後の事である、俺の腕輪が光輝いたかと思えば腕輪に直接文様のようなものが現れた。
ひとつはショベルの様な文様に…オノ?ノコギリ?ハンマー?
のように見えるが、見間違いじゃないんだろう。
しかも、一つずつ文様が区切られるように四角い枠の様なもので囲われている。
今は丁度”拳”っぽい見た目の文様が丁度真ん中にセットされいる。
カチッ。
試しに俺は腕輪を握り右へ回してみた。
『セット――――アックス』
「お、おぉ!」
ブォン…ナビの音声と共に突如現れたのは2mは超えよう巨大なオノ。
よく見れば古びているのか刃の部分もサビだけらだ。
というか、これが武器じゃないっていうんだもんな…
「これが武器じゃないんだぜ? どうみたってこっちの方が強そうだろ」
『しかし、攻撃性能は皆無と表記されていましたよ? 確か、古びたオノでしたっけ?』
「…ネーミングセンスそのまますぎないか?」
『——―言われてみれば、安直な気がしますね』
さてさて、とはいえ…グズグズしていたら本当に危ない気がするので、俺はゆっくりと倒れるサイの化け物の方へ近づいて行く。
「確か、あれを解体して”魔石”ってやつを取り出せばいんだよな?」
『えぇ。 セットするモードは刃物であれば何でもいいらしいですよ』
「そういう所は雑なんだな」
『全くです。 魔物の解体に関してはこちらにお任せください。 といっても、目の前にガイドラインを表示する事くらいしかできませんが』
「いや、今はそれで十分だ」
近付くと感じるが、よくもまぁこんな巨大な化け物を倒せたと自分でも関心する程だ。
まぁ、次に出てきたらやられるのはきっと俺のほうだろうけどな。
「さてさて、これで食料はなんとかなりそうだし…あとは水問題か…はぁ。 水って…ナビ…こんな環境で川なんてあると思うか?」
『…少なくとも。 川の流れるような音は聞こえませんね――――湧き水にワンチャンを賭けますか?』
「馬鹿いえ! そんなギャンブルじみた事をやる余裕はない!!」
最優先事項は水と食料問題だ! いや、そもそも俺がぶっ倒れたら終わりなハードな人生の始まりである。
いや! けど、肉はあるから大丈夫なはずだ!! さぁ、いざゆかん! サードライフ!!
―――――――――――――――――――――というのは、ほんの数十分前の前向きな考え方をしていた俺の”甘い考えであった”。
「ふん!」
ガンッ!
「ふ~~んぬっ!」
ガンッ!!!
『マスター! ファイト~! いっぱ~つ! さぁ! もうちょっと伐れそうですよ!』
俺は先に食料の確保のため、気付けば近くにそびえ立つ巨大な木を伐ろうとしていた。
が、道具がボロボロなのか…木が硬すぎるのか、それともどちらもなのか…というレベルにはなかなか倒れない。
「こういうのは!」
ガンッ!
「普通!」
ガンッガンッ!
「木を叩いたら素材で出てくるもんじゃないのか!」
『いくら何でもそれはゲームのやりすぎですよ、マスター。 とはいえ、おかしいですね! 異世界転移に巻き込まれたのに、大した恩恵もない!? ―――そんな馬鹿なっ!? まるで現実のようだ―――』
「いや、これ現実なのよ!! げ・ん・じ・つ!! たのむ! 農家の神様でもチートの神様でもいいから! 俺を助けてくれ~!!」
―――――――――――――――――――――――――――――
黄昏の
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