LOOP・06

第26話


「ここは…?」

LOOPの中、暗い空間…。

どこが天でどこが地なのかすら解らないが…立っていられる…不思議だ。




「ようこそ☆迷い人」

「誰だっ!!」

不意に声が聞こえて、即座に緊張が走る。



今まで何もない空間だった場所に…道化師が居た。



「な…」

「ようこそ、マオ。心の迷宮に。私、案内役を務めさせて頂きますPierrotでございます。以後よろしく。」

マオの動揺をさておき、どこぞのガイドの様に悠長な台詞を言うと、Pierrotは深々と一礼をした。




「ちょ…待て、ケイは何処だ!?」

マオはこのおかしなPierrotにクラクラしながらも、質問する。


「まずは、記憶に新しい…貴方の旅立ちから…。」

しかしPierrotは答えずに、まだガイドをしている。


「質問に答えろっ!!ケイは何処だっ!!」

怒鳴り声を上げるマオの拳は怒りで震えている。




『…ケイ、はまだですよ?マオ、先ず…は自分の心を知る…のが先…。』

頭の中にクロノが語りかける。

…しかし、途切れ途切れの小さな囁きだった。

「!!クロノ?」


辺りを見回すが、クロノの姿は無かった。



「…マオ、質問に答えて…?」

そう。

ココには、マオと道化師Pierrotしか無い空間だから…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る