にがさない
全て失った、地位も富も。長らく社長を勤めていたが、もう潮時だ。目の前に広がる海を見て、ゆっくりと歩を進めた。
急に後ろから引っ張られ、足が止まる。
「海が汚れんぞ、若いの。まだ、お前は頑張れるんだからさ——」
「借金、返していこうな」
金を借りていたところのヤクザ達に、囲まれていた。
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