格闘技術縛りで最強になる(予定)のダンジョン配信者

海野源

[初配信]未覚醒者がダンジョンボス凸してみた

 ダンジョンが出現してから10年。人々の中に覚醒者という存在が出始め、彼らは魔法やスキルなど不可思議な力を使ってダンジョンを攻略していた。

そして10年も経てばダンジョン配信というジャンルが流行り始め、人々はダンジョン配信者達の派手な戦闘に魅了されている。


そんな現在、11月4日、X上にとあるアカウントが開設された。そのアカウントは『海野源』。『海野源』にはとある一件の投稿があった。その内容は

「11月7日19時〜、[初配信]未覚醒者がぼっちでダンジョンボス凸してみたをYoutube上のライブ配信にて行います。」

未覚醒者とは魔力もsスキルも持たない所謂クソ雑魚お人間のこと。

この内容は一部の人の目に留まり、一部の界隈で『海野源』は注目されていた。


 そして来たる11月7日。18時58分。

その時点で560人が配信枠にて待機していた。


“未覚醒の雑魚がダンジョン凸ってww“


“本当に未覚醒ならただのイカれ野郎。でもそうだったらおもろいな。“


“どうせ覚醒してるだろ。あんなの嘘だ嘘。“


コメント欄にはライブ配信に否定的な声、楽しみにする声などが流れていた。


19:00。ライブ配信開始。

その瞬間、画面に映ったのは一人の高校生程の少年。上には何もきておらず、下は黒いズボン。彼の肉体は筋骨隆々としていた。そして特徴的な銀色の髪に、整った顔。

その瞬間、コメント欄は湧き立った。


“なんだこのイケメン。“


“アイドル系かな?“


“この腹筋……飯が3杯はいける……“


画面の中の少年はカメラに目を向けると、


「どうも皆さんこんにちは。海野源です!えーっと、まず、僕は未覚醒者です。スキル、魔法はもちろん、魔力による身体強化もできません。僕には……って見せた方が早そうですね。今僕は両国ダンジョンのボス部屋の前にいます!」


“ほんとかなあ?“


“両国ダンジョンって高難易度のとこじゃなかった?“


“おいおい死んだわコイツ……“


“というか、どうやってボス部屋まで来たんだよ……“


コメント欄が疑問に染まっている中、画面の中の少年は


「それでは入っていきましょうか!」


すると、青年はボス部屋の扉を開けた。

そしてカメラに映ったのは、15メートルほどの巨体、肌が濃い緑色で筋肉質、そして腰に布を巻いており、腕には7メートルほどの棍棒。


「『小鬼王(キングゴブリン)』ですね……それでは初戦闘!張り切っていきます!もちろん武器は拳で!!」


“おいやめとけって!!“


“普通マルチで狩るようなやつだぞ!“


“おいおいマジで死んだわあいつ……“


“やりますねえ“


コメント欄は彼を止める声で溢れていたが、彼は身一つでゴブリンに立ち向かっていく。



次回、“不確定要素“

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