『怪獣 ジセーのクー』 下の5


 すると、荒川博士の持っていた感知器が、叫び声をあげたのである。


 『くる、くる、くる、くる、くる、くる、くる………』


 『や? きたか?』


 『きましたね。はくし。それ、反応でかいね。遠いときは、‘’きそう、きそう。‘’ と、いうね。』


 キューさんが解説した。


 『つまり、すぐ、近くにいる。異世界生物ね。』


 『あのなあ。ロボットさん。異世界生物となんでわかる?』


 刑事さんは、あくまで信用しない。


 『生物以外には、反応する理由がないね。』


 『ふん。ばかばかしい。』

 

 小田原の町を過ぎた、海岸沿いの山間部で、反応は最大値になった。


 『くるくるくるくるくるくるくるくるくるくる………』


 感知器は、故障したように叫んだのだ。


 そうして、出たのである。


 まさに、地中から躍り上がるように、それは現れた。


 『でたあ!』


 最初に叫んだのは、刑事さんだった。


 車は急停車した。


 半魚人を理想化し、さらに、最高にハンサムにしたような怪物である。身長は、2メートル半くらいある。


 そいつは、最敬礼するようにお辞儀し、そうして、こう言ったのである。


 『お邪魔いたします。ジセーのクーと、申します。失礼ながら、あなた方は、ちょっと早いディナーにいたします。辞世の句を詠んでください。気に入ったかたは、お助けいたしましょう。』


 しかし、クーは、相手が悪いということには、まだ、気が付いてはいなかった。


 そこで、まず、キューさんが、モンスターキラー3号から、降りたのである。


      






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