第411話

俺は昔から、何でも容量よくこなせた。


運動も、勉強も、それ以外の事も全て。





ただ、




「憂太くん、ここの方程式の解き方を教えて欲しいんだけど…」



「何で?授業で習っただろ」



「それでも…分からなくて、」



「授業で理解出来なかったのに、俺が教えたら理解出来るようになるのか?しかし、それで俺に何の利益がある?君に労力と時間を割くだけで、得るものは何もない」



「………そうだね、ごめん」




余計な事に労力を使う事が何より嫌い。

自分の利益にならない場合は、行動する事はない。得るものがないのに、何の意味が?




だからなのか、友人と言える存在もいなかった。

別に必要性も感じない。





クラス委員長だった俺は、月1で行われていた委員長会に出席した。時間は使うが、楽して成績を稼げるから委員長になった。



ただそれだけ。



席に座り、会が始まるのを待っていれば、他のクラスの委員長達は、他愛のない会話を忙しなくしている。内容は、漫画やゲームのとかで、くだらない。



昼休憩の時ならまだしも、今そんな会話する必要ある?あんな低脳が委員長やってるのかよ。




そんな中、ある女子生徒が入ってきた。

サラリ、と肩辺りで切り揃えられた艶やかな黒髪が揺れる。





彼女は、隣のクラスの委員長。

────遠山春灯だった。





成績学年1位。



唯一俺が勝てない女。

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