盲愛アシンメトリー【完】

カタミチ

「下の名前で呼ばないでくれないかな」

椎名唯乃side

第2話

恋とかとっくの昔にグシャグシャに踏み潰して捨てた。



仕方ない、女に見られないんだから。



まぁ恋愛なんてもう生きる上で重要なカテゴリーには入っていないけど。









「椎名くん、この前言ってたCD持ってきたよっ」



「あ、あぁありがと」



視線を合わせれば小柄な女の子が私を見上げてる。身長差軽く25cmはあるな。



「…カッコイイ」



「は?」



軽く頬を赤く染められ、またかと思った。首を若干斜めにして見下ろすと慌てて目を逸らされる。



「椎名くんに見下ろされると男子なんかより全然ドキッとするっ」



「へー何それ」



この言葉とか、もう日常会話かってぐらい聞いてる。



結論から言うと私は男だ。…いや間違えた。女だけど恐ろしく男に見えてしまう見た目をしてる。

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