第185話 謎の老人と遭遇します
リあンさん、コハクさん、さくらくんの恐怖に染まっていた顔が、安堵に変わる。
「あ・・・・・・ありがとう、スウ!」
「ありがとうございます、スウさん―――!!」
「たたた・・・助かりましたあ・・・」
3人が荒い息を吐いている。
「ま・・・間に合って良かった・・・」
コメントに、他の3人の配信を見ていたらしいみんなのファンからのお礼が溢れた。
あ、コメント欄がカラフルになった。虹色まで出来てる。
にしても、ここの遺跡・・・・こういうトラップも用意してくるのか。
殺意、かなり高いぞ・・・。
オックスさんや星ノ空さんと行ったゴブリン退治みたいに「またクラメンとお散歩クエスト」くらいに思ってたけど。ここは、本気で命の危険を感じる。
気を引き締めなきゃ。
『侵入者に警告、これ以上の侵入を許可しません。立ち去らない場合、命の保証はありません』
「今、警告なしに初見殺ししようとしてきた癖に」
「初見殺しがバレたら、こっちが警戒を始めるの分かるから、警告してるんでしょうか」
「意地が悪すぎますね・・・殺意高すぎます」
❝大丈夫か、この建物進んで❞
❝すんげえ心配なんだけど❞
でも結構重要な物らしいんだよね、ここで手に入るブラックボックス。
私は〖飛行〗したまま〖念動力〗で扉を押す。
また、嫌な予感がする。
〖第六感〗に反応。
(〖サイコメトリー〗)
この先に何が有るかの記憶を、発見。
記憶に、侵入者撃退用のタレット(設置型の自動機銃)が置かれているという物があった。
〖念動力〗でゆっくりと開くと――確かにタレットだ。
扉を〖念動力〗と〖超怪力〗で引き剥がす。
縦になって落とし穴のようになった廊下の奥から、つまり頭上から襲い来る銃弾。
扉を盾にして、銃弾を防ぐ。
「〖念動力〗〖超怪力〗」
私はタレットの銃身を〖念動力〗で握るイメージをして、腕を動かす。
そうして銃身をひん曲げると、銃弾が発生させたガスがタレットの内部で膨張、暴発して、タレットが沈黙する。
4つあったタレットを全て爆散させて飛翔。
後ろに庇っている3人が「ちょちょちょ、スウさんがまたなんかしてる!」「大丈夫なの!?」「なんでそんなに躊躇ないんですか!?」って騒ぎだす。
〖サイコメトリー〗で情報を得てるから大丈夫。
「今度は扉じゃ受けきれないな――サイズはギリギリかな――リンクス出てきて」
『よんだでありますか、母上』
私は、バーサスフレーム用の時空倉庫からシールド・ドローンを取り出す。
頭上に見えてきた扉を、162mmキャノンで爆散。
間髪入れず飛んできた単分子ワイヤーを、シールド・ドローンで防ぐ。
「今キラっとしたのなに!? ――立て続けにキラキラキラって光ってたけど!」
「単分子ワイヤーの、ワイヤートラップみたいです」
念動力の腕に掴まれたリあンさんが、周りを見回しているので、彼女に答えた。
すると、さくらくんが小さな悲鳴を挙げた。
「単分子ワイヤーってあれですよね!? 分子一個の分の太さしかないワイヤーだからすごい切れ味を誇るっていう!」
コハクさんまで青ざめる。
「そ、そんなの当たったら真っ二つになっちゃうんじゃ――いえ、細切れになっちゃいません!?」
「ちゃいますよ!」
❝モデレーター(音子):さくらくん。「ちゃいますよ」やと、関西では「違いますよ」って意味になるんやけど、そんな場合ではないな❞
コハクさんが胸の前で腕を組んで祈りだした「サイコロステーキは嫌、サイコロステーキは嫌」って呟いている。
次の扉の向こうは、ちょっと不味いな。
開けたら、〈励起放射〉が飛んでくるらしい。
FLでは、バリアは熱武器も防いでくれるけど。シールドは熱武器を防いでくれない。熱は黒体塗料で吸収するから。
だからシールド・ドローンじゃ防げない。
(勿体ないけど)
とりあえず、予備の〈時空倉庫の鍵〉を開く。
扉を〖念動力〗で開く。
奥から青い輝き。
誰かが叫んだ。
「〈励起放射〉!?」
私は、〈時空倉庫の鍵〉の空間の歪みを前に構える。
青い光が、時空の歪みに吸い込まれていく。
〖念動力〗と〖超怪力〗&〖怪力〗で砲身をぶん殴る。
大爆発が起きて、〈励起放射〉を放っていた砲台が破壊された。
「し、死ぬかと思いました・・・」
「建物の中で〈励起放射〉を撃ってくるとか・・・・なんでウチら生きてるの?」
「え、時空倉庫で〈励起放射〉受け止めたんですか?」
「・・・というかこの建物建てた奴何考えるんですか・・・・殺意高すぎですよ―――」
❝倉庫つええ❞
「でもこれすると、〈時空倉庫の鍵〉の中の球体が壊れて〈時空倉庫の鍵〉自体が壊れちゃうんですよね――この倉庫はもう使えません。〈時空倉庫の鍵〉って、銃弾でも数発受けると壊れちゃうんです。脆いですよね」
❝レアアイテムの〈時空倉庫の鍵〉を大量に持ってるから出来る所業だなあ❞
❝脆くはない❞
私は警戒しつつ通路の奥――というか頭上をみる。
「情報を奪われないようになのか、よっぽど他人に見せられないような研究をしてたのか。まあ黒体放射じゃなくて良かった――帝国時代には黒体は無かったらしいけど・・・・このまま探索を続けて大丈夫かなあ・・・」
流石に危険を感じる。
にしてもこんなに危険な場所を生身で探索するなら、命理ちゃんに付いてきて貰った方が良かったかも・・・。命理ちゃんなら、生身でバーサスフレーム並の戦闘力持ってるし。
出直す?
いや――とりあえず〖サイコメトリー〗を使いながら慎重に進もう。
「ここMoBの研究施設みたいですね」
「やっぱり、重要な場所なんですね」
〖サイコメトリー〗を使って次の扉は問題ないと確認してから、正面の扉を抜けると、重力が戻った。
「とっとと」
「あわ」
「ひっ」
「っと」
みんな〖飛行〗と〖念動力〗で浮いたからなんとも無い。
特に、さくらくんは見事な宙返りを見せた。おっとりした見た目なのに運動神経いいんだなあ。
「皆さん、大丈夫ですか――」
私がみんなを心配していると、第六感に反応があった。
「おかしいな、この先に罠とかはないみたいだけど――〖マッピング〗」
「なにか見えます?」
赤い点が幾つか表示される。
これは、オートマキナなんだろうか?
とにかく、わたしたちの扉(今までよりかなり厳重な物)の向こうにも赤点があって、ゆっくりと――しかし真っすぐこっちに近づいてきている。
サイズや動きやリズムが人だ――人の歩みだ。
「人?」
そう私が呟くと、コハクさんが尋ねてきた。
「人が居るんですか?」
「わかんない、ただオートマキナのような感じじゃない」
赤点が、扉の前まで来た。
ピッという音がして、鋭く空気の抜ける音がした。
ゆっくりと開いていく、両開きの扉。
はたして現れたのは、トレンチコートの男性の老人。
丸いサングラスを掛けている。
髭と髪がライオンのタテガミみたいになってる。
老人がトレンチコートを、ゆっくりと脱ぎ去った。
中から出現したのは、ボディビルダーの世界大会にも出れそうな筋肉。
筋肉が隆起しすぎて、シャツが張り詰めて悲鳴を挙げていそうだ。
老人が、胸ポケットの何かを取る。
(折りたたみ式ナイフ?)
―――違った、
老人はナイフの様な櫛で、撫でこするように髪を整えながら悠然とこちらに歩み寄ってくる。
「どなたですか?」
「俺の名はジャバウォック」
ジャバウォック・・・・ハンプティダンプティと同じく鏡の国のアリスに出てくるキャラクターだ。どうもハンプティダンプティの仲間臭いぞ。
~~~
私がアップしているもう一つの話、
「最弱魔力の最強術師!?」
https://kakuyomu.jp/works/16818093089528747872
なんですが、推定一番ヤバイシーンまで投稿し終えました。
痛々しい話ですが、最新エピソード達は、一応女の子の友情話です・・・。
「もう止めてやれよ!」みたいな感じかもです。強固な友情を全力で書いたらこうなりました。
・・・FLの雰囲気では、多分こんな事は出来ません。
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