第52話 まだ続く解説

照準器スコープは、銃・火砲などの射出式武器・兵器の狙いを定めるための装置で、照準器は射手との接点のため、命中率を大きく左右する要素である。照準具サイトとも呼ぶんだよ」


 えー。まだ続くんですか?

 ちょっと……もう俺、おなかいっぱい気味なんですけど……。


「まず、オープンサイドについての説明だけど……。主に拳銃に標準装備されている、もっとも単純な照準器スコープで、銃身前方の銃口付近にある凸型の照星フロントサイトを目標に合わせ、後方の凹型の照門リアサイトの溝の間に見えるようにして狙うの」


 いや、まーじでなに言ってんの。


「ネジを締めたり緩めたりして、銃の状態に合わせて照門を調整できる物。それを窪みノッチサイトとも呼ぶこともあるよ。最近はチューブ式の集光素材を使用して、内蔵光源に頼らずにある程度の発光を実現している製品があるよ」


 うん。うん。うん?

 ほんとに何言ってるんですかね……。


 いや、まじで。「主にライフルに標準装備されていることの多い照準器スコープ。環孔照門などとも呼んだりするよ。基本はオープンサイトと同じだけど、照門が溝ではなく穴になっている。近・中距離の精密射撃に適していて、凹凸のオープンサイトと比較した場合、若干の慣れが必要だがピンホール効果により射手の視力にかかわらず像がくっきり見える利点があるんだ」


 わかんねぇ……。

 わかんねぇよ……。


 なに?専門用語しか使えない病気にでもかかってんの?

 まじでもうやめてください。わかんないんで……。


「ゴーストリングサイトは、ピープサイトの照門の穴を大きくしたもの。狙いの精密さより素早く照準できることを優先した、CQB近接戦闘に適したピープサイトで、照準時に照門がぼやけ、お化けのような輪に見えることからこの名が付いたんだよ」


 しかも、なんかどうでもいい豆知識を教えてくれたがさっぱりわからない。


 だが、俺のそんな気は知る由もなく、サーガはずーーっと銃のことに関してしゃべり続ける。


「マイクロサイト。バックラッシュの除去などピープサイトの精度を上げ、より細かな調整機能を持たせた物。アイリスをサイズの違う物に交換したり、偏光・着色フィルターを装着する機能を持たせた物も多い。ポストタイプまたはリングタイプの照星と組み合わせて使用する。通常のピープサイトよりさらに精密な照準が可能だが、極端に視野が狭いため標的射撃専用で使われるよ」


「バックアップアイアンサイト。光学照準器が破損・故障などで使用不可能になった際に用いるアイアンサイト。光学照準器使用時に邪魔にならないよう折りたためるものもある。光学照準器の装着を前提にした銃の中には、BUISとしての側面を重視したアイアンサイトを備えたものもある。銃側ではなく光学照準器本体に付属しているものもあるけど、それらはあくまでバックアップ用という位置づけのため、調整機構のない簡易なものが多く、精密射撃には不向きなものが多いけど、一応これもクレイトくんに渡しておくね」


 そう言い渡す。

 なんなの?なんでこんなに説明して解説するの?

 もいい加減説明やめてほしいんだけど……。

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