第5話


「香澄ちゃん、今は思いっきり泣けばいいよ。」


「真衣ちゃんには強いね」


「うん、強いから、あいつお線香の話なんか聞くな」


「なんで?」


「絶対音感ないから。私は持ってる。だから、練習しないで臨もう。

クラリネットの音程の差だから、今治してると思う。」


「わかった、リズムって言ってたけど違うんだね」


「合ってる、どの先生もクソだぜ、ベイベー」


「泣くからさあ、」


「面白くなかった?」


「面白くないよ、」


「そっか、じゃあ。香澄ちゃんが辞めたい時、うちら全員辞めるからさ」


「うん、がんばる」


「うん、がんばんな」


「っふ、おもしろ」

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