木工勇者
山親爺大将
第1話 転生先が木ってなんだよ
俺は異世界に転生した。
こっちに来る時に色々希望を聞かれて、随分と贅沢な要望突きつけたと思う。
だって全部叶えるって言うんだからそりゃ言うよな。
で、転生して俺の冒険はコレからだ!
って思ったら、ナンジャコリャァァァ!
転生先が木ってなんだよ!
おい! 女神! 姿現せ! いい加減にしろよ!
『あらーどうしたの? ご不満?』
目の前に女神が現れた。
当たり前だろうが! なんだこれは! 詐欺じゃねぇか!
『貴方、リソースって言葉ご存知?』
それくらい知ってる! それがどうかしたのか!
『貴方を転生させる為にあったリソースを仮に百としましょうか、それに対して貴方が出した要望が二百くらいになったわけね、じゃあその足りない分を何処かから持ってこなければいけない訳』
だってアンタ、どんな要望でもかなえるって言ったじゃないか!
『そうよ、貴方が出した要望は全て叶えたわ! そのせいで足りなくなった分をちょっと転生後の身体で調節させて貰っただけよ』
ふっざけんなよ! だいたい俺は高貴な生まれって言ったじゃねぇか!
木に高貴なんてある訳ないろうが!
『そんな事ないわよ、ここは世界樹の末裔で形成された静謐の森、当然貴方も世界樹の末裔なんだから、これ以上無いくらい高貴な生まれよ』
あぁ、そうなんだ。
ってならねーよ!
『困ったわねー』
困ったのはこっちだよ! なんとかしろよ! もう一回転生させるとか、なんかあるだろう!
『それは無理よ、何回も転生はいくら私でも出来ないわ……うーん……あ! そうだこっちの世界での案内人を紹介するわ!』
案内人?
『ええ、その子に相談すればなんとかしてくれると思うの!』
そうなんだ、じゃあ、お願いするかな。
『ええ、その分のリソースは私と交信できるって能力削って確保するわね』
え! おい! それっておかしくないか?
おい! おい! 女神! おい!
……本気で交信出来なくなってる。
くっそーやられた。
ー二年経過ー
ハッ! ボーッとしてたら年輪が二個増えてる!
木の時間感覚やばいぞ……。
いや、それ以前に二年も音信不通ってどういう事だよ!
「いやーごめんごめん、忘れてた」
うおぉぉい! いきなり話しかけるなよ! ビックリするだろ!
「ごめんねぇ、なんか気分悪くしたみたいだから帰るよ」
わぁぁ! 待って! 俺このまま木とか嫌だよ! 頼む! なんとかしてくれ!
「……じゃあ、ごめんなさいは?」
は?
「は? じゃないないわよ、折角来てあげたのに、ありがとうの一つも無くイキナリ文句言った事に対してごめんなさいは?」
二年もほったらかし……。
「じゃあ、帰るね!」
わぁ! わぁ! わぁ! ごめんなさい! すいませんでした!
「来てくれてありがとうございます」
来てくれてありがとうございます!
「こんな魅力的な美しい人に出会えて光栄です」
カラスくらいのサイズで、緑色のチンチクリンな妖精にしか……。
「やっぱり帰るね!」
わぁ! 待って! 美しいってより可愛いって思っただけです!
「本当に?」
本当に!
「イマイチ信用出来ないけど、女神様にも頼まれたからしょうがないから面倒見てあげるよ」
うん、よろしく。
「僕の名前はティンク! 木の妖精ドリアードのティンク! よろしくね!
じゃあ、取り敢えず身体削るねぇ」
そう言うと何処からともなく取り出した鉈のようなもので、俺の幹を攻撃し出した。
え! ちょっと! 何してるんだ!?
「どうせ何も出来ないんだから、大人しくしてて」
いや、でも、え?
俺……伐採される?
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品はカクヨムコン参加作品です。
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長編も書いているので良ければ見てください!
https://kakuyomu.jp/works/16818093081579462826
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木工勇者 山親爺大将 @yamaoyajitaisho
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