第165話 移民
日本の融和派と韓国勢の仲がギクシャクし始め、互いに仲の良いダンジョンマスター同士で侵攻計画を練り始めた頃。最後の勇者が日本に帰還。アメリカ軍が異世界の帝国軍を相手に盛り返し始めたし、アメリカの勇者の中にも強い人がいてかなり戦えるようになったからかな。
序盤は異世界の軍を相手にアメリカ軍は現行兵器が通じず負けまくり、最近は均衡状態が続いていたんだけど、とうとう盛り返し始めた。ということはもう今後アメリカ軍が負ける事はない。この均衡が崩れた後は、アメリカらしく異世界の帝国軍相手に勝ち続けるからな。前周と同じであればだけど。
アメリカの直近の問題はアメリカ国内の方にあり、ステータスを得た移民の暴動が今まで以上に起こるようになる。犯罪の件数も右肩上がりどころか跳ね上がっているレベルだからとうとう移民嫌いの大統領がキレた。具体的には移民全員アメリカの土地から強制退去させるということで手始めに留学生を全員追い出し始める。何でこの大統領、嫌韓カルテット批判してたのに嫌韓カルテットみたいなことしてるん?
日本も嫌韓カルテットが殺害に対する報奨金を出すことで在日の排除を始めているが、それ以上にアメリカが海外からの移民を全力で排除しているのは何か凄い。アメリカ国民も移民の排除には積極的であり、日本と同じ感じになりそう。
……元々アメリカも移民問題は存在していたし、こちらは未だに黒人差別が根強い地域も多くある。というか移民問題のせいで黒人差別は悪化し続けていた。それが今回、ステータスを得た移民の犯罪率の増加により、こちらは軍や警察が暴走した。
日本では私刑執行官が曲がりなりにも制度として確立し、一応超薄いオブラート並みだけど規律が存在している。だが代替となる制度が確立しなかった、主導できる者がいなかったアメリカはより凄惨な結末を迎えた。反移民感情が爆発した結果、移民達の人権が消失した。
軍も警察も、移民を殺す市民が居ても放置し出したのだ。そこで止まればまだマシだったのだが、大統領が移民追い出し政策を決定してから警察側が移民から財産を根こそぎ奪い、男は殺し、女は販売される物扱いを受けることとなる。
……当然、移民達は自分達を守るためにコミュニティを作り、団結するのだが、集団になれば暴徒鎮圧の名目で異世界の帝国軍相手に善戦をするようになった、ステータスを獲得して経験値を積んだ軍が制圧をした。抵抗するのであれば文字通り全滅するところまで戦うのも珍しくないようで、移民の人権が消し飛んだ瞬間である。
こうなればあとはただの虐殺だ。移民の国だったアメリカは、もう存在しない。少なくとも中南米からの移民はほとんどが淘汰される。なお最後の勇者の活躍が大きすぎて大統領が表彰したことにより、日本人がアメリカの地で死ぬことはほぼ無かった。まあニューヨークのダンジョンとかを攻略した辺りで、たぶん潜在的に数百万人は救ってるからな。
「『Execute all immigrants. I allow it.』って大統領が言って良いのか……?
ただまあ、アフリカや中東、東南アジアからは難民が溢れ出そうだからそいつらから敬遠されようと思ったら有用なんだよな」
「日本が一番避けられているがの。……そしてそれが、紛れもなく正解じゃ」
「綺麗事を言うなら『正解なんてない』とか『差別良くない』になるんだけど、移民排除した日本が今一番安定した国になっていることを考えると一目瞭然だわ」
「……恐らく来年以降、人口の減少幅は更に加速しそうなのじゃが。融和派が持ち直せば何とかなるかの」
「外出るダンジョンマスターがいつ処理されるか次第だな。処理されたとして、孤島に籠っている奴とかが第二第三の矢になりそうだけど」
いじめがなぜ起こるか。それは敵のいない集団より、敵のいる集団の方がずっと結束力は強くなるからだ。安定のために常に敵が必要なことは、韓国勢を見ててもよく分かる。人間、適度に労働してないと変なことも考えるしな。自分が何で生きているのかとか。
……日本でも同じことが起こったが、アメリカでは移民を庇う自国民に対しても引き金を引くようになった。こうなれば『いじめを庇う人が虐められるようになるから、虐めを庇う人がいなくなる現象』と同様に、移民を庇う人は存在しなくなる。
結果、虐殺は加速。特に移民が多いカルフォルニア州とかでは僅か3日で50万人以上が死亡した。たぶんこれ帝国との戦争の、今までの戦死者数より多いぞ。というかアメリカの1州だけでこの被害者数だし、そもそも集計が出来ないような地域も多いだろうから、全体ではまあ悲惨なことになってるだろうな。
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