第13話 朝が来たー
「おはようございます。」
ソニーとマックスは、ブラザーアンセムに挨拶をして朝食の乗った木のトレイを持って長テーブルに向かう。
朝のお祈りが終わり、食堂にはたくさんの修道士達がすでに座り込んで話している。
ソニーとマックスは、同じ歳頃の子供達のいる席に来ると、ソニーは自分の木のトレイをテーブルに乗せ、マックスの木のトレイを同じようにテーブルに乗せてやった。
「お兄ちゃん、ありがとう。」
マックスは、長テーブルと同じように並ぶ、横長の椅子によじ登る。
ちょうどソニーとマックスが席に着くと、修道院長と後ろには腰巾着ブラザーカーチスがにこやかに現れた。
神への祈りが終わると朝食の始まりだ。
丸いパンと野菜スープ、卵だけのシンプルなオムレツ、ミルク、果物は林檎。
ソニーとマックスは、ミルクを飲むと白い髭を作り、ふたりは白い髭を見て笑った。
静かな朝食の時間を過ごすと各自トレイを片し、本日のお務めへと動き出す。
子供達は日課の配達へと繰り出す。
皆、果実酒や果物、野菜、パン、薬草園で作られた薬などを持って出かける。
食堂では、すでにブラザーアンセム達が、各家庭に分けた籠が用意されていて、ソニーとマックスは、いつも通り2軒の籠を持つとブラザーキンブルが、籠に各家庭用の薬を入れてくれる。
「気をつけて行くんだぞ。」
ブラザーキンブルに、頭を撫でられる。
「寄り道は厳禁ですよ!」
ブラザーカーチスの甲高い声を後に、急いで食堂を出て行き、修道院を出るとソニーとマックスは、ブラザーカーチスの甲高い声真似をしながら笑い合った。
「今日も居なかった。」
ソニーとマックスは、賢者が居なかったので落胆しながら修道院へ帰る。
殻になった籠をマックスが被りながら歩く。
「そんな事してるとまた転ぶぞ。」
ソニーの籠には、今日は殻になった果実酒の瓶が入っているので、いつものように籠を被れない。
ふたりは、小さな川にかかる橋を渡り、草原の真ん中に出来た細い道を歩きながら、川で釣りをする町の人に挨拶をして修道院に戻って行く。
ソニーとマックスの今日が始まった。
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