第二話「境界」

【深層メモリア】


[2024年11月5日]

@時雨

現実とフィクションの境界が、少しずつ揺らぎ始めていますね。


@葉月

ええ。でも、それこそが私たちの目指したこと。



【SNS「アートスフィア」】


[2024年11月6日]

@film_watcher

『残響の街』のDVD借りて見直してたんだけど、雨のシーンの前後で主人公の服装が違う?でも劇場で見た時は気にならなかったな...。


[2024年11月6日]

@movie_love

>>@film_watcher

私も気になった!でも不思議と違和感ないんだよね。むしろ芸術的な演出に感じる。


【蒼穹の間】


[2024年11月6日 15:00]

@月影

デジタルでの記録と、実際に観た記憶が少しずつ乖離し始めているようです。


[2024年11月6日 15:03]

@深流

自然な流れですね。誰も疑問を持たない。それが心地よい混乱として受け入れられている。


【アニメ掲示板「アニメワールド」】


[2024年11月7日]

『透明な夜の向こう』最終回直前考察スレ


>>1023

図書館に置いてある本のタイトル、毎回変わってない?前は『記憶の箱舟』って本が映ってたのに、再放送だと普通の本棚になってる。


>>1024

え、そうだっけ?でもそんな違和感なく見てたな。むしろ心地よい。


【音楽サイト「SOUND REPORT」】


[2024年11月7日]

群青『まぼろしの午後』に関する謎

投稿者:音楽評論家 山田隆司


レコード盤でのみ確認できる現象について。A面最後の曲で、微かに時計の秒針音が録音されているという報告が相次いでいる。しかしデジタル版には存在せず、しかも同じレコード盤でも聴こえる人と聴こえない人がいるという不思議な現象が...。


【蒼穹の間】


[2024年11月7日 15:00]

@夜詩

音の認識も揺らぎ始めていますね。


[2024年11月7日 15:03]

@明日香

ええ。でも誰もそれを不自然だとは思わない。むしろ心地よさげに受け入れている。


【文芸サイト「ブックウォッチ」】


[2024年11月8日]

『あの日の記憶装置』読者から報告相次ぐ

記事投稿:文芸評論家 木下智子


同じページを読んでも、読者によって内容の記憶が異なるという興味深い現象が報告されている。特に図書館シーンでの古い資料カードの日付について、「11月9日」と記憶している読者と、普通の日付だと記憶している読者が...。


【深層メモリア】


[2024年11月8日]

@時雨

現実とフィクション、デジタルとアナログ、記憶と記録。全てが美しく溶け合っていく。


@葉月

明日、全ては静かに...。



【アニメニュース速報】

2024年11月8日 20:15


『透明な夜の向こう』最終回放送に関する告知

本日深夜の放送を最後に、再放送の予定はございません。配信サービスでの視聴も...


【記事は投稿後、削除されました】


【蒼穹の間】


[2024年11月8日 21:00]

@夕凪

もう、デジタルの記録は必要ありませんね。


[2024年11月8日 21:03]

@藍時

ええ。私たちの記憶だけが、真実として残る。


【音楽情報サイト「SOUND WAVE」】


[2024年11月8日 22:30]

群青、突如全音源配信停止

緊急速報


人気バンド「群青」の全楽曲が、各配信サービスから突如として削除された。レーベルからの説明は...


【記事は投稿後、アクセス不能に】


【文芸ニュース】

2024年11月8日 23:00


『あの日の記憶装置』電子版に関する告知

システムメンテナンスのため、一時的に...


【ページは読み込めません】


【蒼穹の間】


[2024年11月8日 23:30]

@月詠

デジタルの海が、静かに揺らいでいます。


[2024年11月8日 23:33]

@星火

私たちの言葉は、確かに届きました。


[2024年11月8日 23:45]

@夜月

さようなら。そして、ありがとう。


【システム通知】

2024年11月9日 00:00


このサービスは

終了いたしました。


【緊急速報】

2024年11月9日 午前6:15

首都圏で相次ぐ心停止事案発生...




【緊急速報】

2024年11月9日 午前6:15

首都圏で相次ぐ心停止事案発生


【深層メモリア - 最終記録】


[2024年11月9日 午前3:00]

@時雨

私たちの作品は、確かに存在しました。

デジタルの檻の外で、確かに在り続けました。


@葉月

群青の音は、永遠のアナログとして。

『残響の街』の雨は、終わることのない祈りとして。

『透明な夜の向こう』の図書館は、消えることのない記憶として。


@月読

さようなら。

これが最後の投稿です。

私たちは約束を守ります。


【システム通知】

このサービスは終了しました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る