第10話 廃墟の闘志
武蔵と志摩はグリフィンの言葉を胸に刻み、次の戦いに備えて慎重に周囲を見渡す。冷たい風が吹き、廃墟の中に静かな緊張感が漂っていた。突然、遠くから重々しい音が響き渡る。地面が震え、何か大きなものが近づいてくる感覚に、武蔵は瞬時に反応する。
「ブルドーザーだ…!」
志摩が息を呑んで言った。視線を向けると、巨大なブルドーザーが瓦礫の中を力強く進んでいる。その先頭には、グリフィンの命令で動く重機の運転手、室町(安藤政信)が座っていた。室町は冷徹な顔をしながら、まるで武蔵たちを踏み潰すつもりでブルドーザーを進めてくる。
武蔵は冷静に立ち上がると、志摩に言った。「ここは無理に戦う場所じゃない。逃げ道を作る」
志摩は頷き、二人は急いでその場を離れ、ブルドーザーから逃げる。周囲の瓦礫を乗り越えながら進む中、次々と射撃音が響き渡る。グリフィンの部下が隠れていた場所から、銃弾が飛び交う。
「遮蔽物を使って! 志摩!」武蔵は叫び、周囲の障害物を利用して一気に前進する。
志摩も素早く隠れながら、周囲の敵を撃退しつつ進む。「あいつら、策を練ってるな…」
その時、突然、江戸(石橋凌)の声が響く。「君臨の力は、ただの力じゃない。全てを操る力だ」
江戸は、武蔵たちの前に現れた。彼は、君臨の実力者としてその力を強調し、戦う意欲を見せていた。しかし、武蔵はその言葉に動じることはなかった。冷徹な瞳で見据えながら、彼に向かって言った。
「君臨の力を使うのは、もう遅い。俺たちが全てを覆す」
その瞬間、グリフィンの冷徹な目がさらに鋭くなり、武蔵に向かって指示を出す。「次の攻撃を開始しろ!」
突然、後方から急にサイレン音が響き、救急車が近づいてくる。しかし、これもただのフェイクであることはすぐに明らかになる。救急車は、実は特殊部隊の移動手段であり、車内から降りてきたのは鎌倉(ウド鈴木)が指揮する兵士たちだった。彼らは、武蔵と志摩を取り囲むように立ち、銃を構える。
「逃げ場はないぞ」鎌倉が冷ややかな声で言った。
その時、ザーサイを食べていた室町が突如として口を開く。「まずは、俺のやり方で始めさせてもらう。」
室町は、手に持っていたザーサイの瓶を投げ捨てると、ブルドーザーをさらに加速させ、武蔵たちに迫る。地面が震える音が耳をつんざく。
武蔵は決して引かず、再び力を解放し始める。彼の体に流れる力が、周囲の空気を変え、次第にブルドーザーの進行を阻止する力となっていく。志摩もその隙に、鎌倉の兵士たちに反撃を加える。
戦いの中、武蔵と志摩はお互いに支え合い、ついにグリフィンの目の前に立つ時が来た。その瞬間、グリフィンが力強く吠えた。
「これが君臨の真の力だ! お前たちが試すべきなのは、まだ最終的な『君臨』の力だ」
しかし、武蔵は冷徹な眼差しで答える。「君臨の力? その力を超えるものが、すでにここにある」
そして、武蔵の一撃が放たれ、グリフィンの力を打破する。だが、その代償として、彼自身も限界に近づいていた。彼の力が尽きるその瞬間、志摩が彼を支えながら言った。
「これで、すべてが終わったわけじゃない…新たな闘いが始まる」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます