りくバト
@miria47273
第1話 リレーしよ!
6月。年々迫り来る速度が速くなっている夏を憂鬱に思いながら宮野 圭は陸上部の部室へと足を運んでいた。
「ここか、、、」
旧校舎の1階。そこは圭が通う春ヶ丘中学校の部室棟となっていた。木造で作られた校舎は、全体的に埃を被っていて教室内には使わなくなった机椅子が雑に並べられている。
勝手に入って大丈夫かな?
陸上部と書かれた紙が貼られたドアの前に立ちながら考える。
事前に顧問の先生には入部届を出したものの、こうやって部室の前に来ると緊張する。
まあ、何かあった時はその時か。
圭は基本的に楽観的な考えの持ち主だった。
教室のドアを勢いよく開けると先輩が3人。
「えっ。新しい部員!?」
「詩、あんまり怖がらせないで。せっかく来てくれたのに逃げちゃう。」
「逃げちゃうって、、人間だよ?犬じゃないから逃げないって」
「、、、はあ」
「何それ!なんのため息?!」
勢いよく喋り出した高身長の先輩とそれをめんどくさそうに相手をする小柄な先輩。名札に緑色のラインがある。どっちも2年生だ。
あと一人。驚いた顔でこっちを見る先輩。
目が合った。と思ったら笑顔で近づいてくる。
「太陽みたいな眩しい笑顔」この表現はこの人のためにある。そう本気で思った。
「ねえ、一緒にリレーしよ」
自己紹介もなしにいきなりすぎる発言。
でも、気がついたら頷いていた。
何かが変わる。そんな期待をしてしまうほど先輩の笑顔は眩しかった。
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