(6番目)

 そうして10年以上の時が経過して。ある場所が若者達を中心に賑わっていた。カラオケとライブの両方が楽しめる建物がだ。その賑わい方は経営の悪化により廃業してしまったカラオケ店があったとは思えないほどで、実際にかつての状態を知っている者からすれば動揺してしまうだろう。それでも笑顔を浮かべながら唄を楽しむ若者達の姿は見ているだけで気持ちが良くなるものだからか。戸惑いつつも多くの者達は少しずつ、だが確実に受け入れていった。


 そんな施設を手掛けたのは元不良の若い男達。そして見た目が清楚とは決して言えなかったからか。興味本位で近付き取材を申し込まれる事も少なくなかった。だが、実際に取材してみれば見た目に反して音楽に対し強い熱意を持っていると判明。更には施設を作るきっかけを尋ねると元不良達は1人の少女の唄だと答えていて。その姿が懐かしさと共に穏やかなものだったからだろう。知れば知るほどに彼らの事を好ましく思っていくのだった―。

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