第8話 保健室でとんでもない事が!?

 春菜ちゃんと咲ちゃんが3限の体育を抜け出して、保健室でるっぽい。本当にうまくいくのかな? 後で先生に怒られないと良いけど…。



 そして3限の体育になり、体育館でみんな準備体操を始める。ペアを組んでやるので、私は春菜ちゃんと組んだ。咲ちゃんの相手はもちろん麻美ちゃんになる。


「夢ちゃん。ウチは後で保健室に行くから、テンション低めにやるよ」


それは当然だろうね。元気そうにしてたら行けないし…。怪我を理由にすると1人で行く事になるからダメだ。2人一緒じゃないと。


麻美ちゃん・咲ちゃんペアはどうかな? 気になったのでチラ見する。


「麻美、痛いって! アタシの体が硬いのは知ってるでしょ!?」


「だからしっかり伸ばすんじゃない。頑張って!」


咲ちゃんはすごく元気そうに振舞っている。あれで大丈夫かな…?


…きっとうまくやるよね。私達も準備体操を始めよう!



 準備体操が終わり、いよいよ器械運動が始まる。空いてるマットに対し、前転とかの好きな運動をすれば良いみたい。一通りやったら後ろに並んでる人と交代って感じ。


一見サボりやすそうだけど、クラスの人数が少ないから先生の目は届きやすい。少人数が仇になってるよ…。


「とりあえず、2回ぐらいやろっか。いきなり保健室に行くと怪しまれるから」


私・春菜ちゃん・麻美ちゃん・咲ちゃんの4人は近くに集まって話し合う。


「そうしようか」


「咲、やっぱり止めたほうが良いって」

麻美ちゃんは真面目だから引き留めようとする。


「ヤダ。アタシ、寿さんが大宮さんにやった事がすごく気になるから。喘ぎ声が出るぐらい気持ち良いみたいだし」


「それはできれば言わないで欲しいな…」

今となっては恥ずかしい事だから…。


「みんな、おしゃべりはこれぐらいにしましょう」


麻美ちゃんの一声で、私達は並び始める。



 私達4人に2回順番が回った後、春菜ちゃんと咲ちゃんが先生の元に向かう。いよいよ抜け出すみたい。


「大宮さんは抜けだしたりしないわよね?」

麻美ちゃんが心配そうに訊いてきた。


「しないよ。そんな度胸ないから…」

2人が気になるから、私も本当は抜け出したい。


「度胸の問題なの? まぁ、残るなら何でも良いわ」


順番待ちの間に、先生と話してる春菜ちゃんと咲ちゃんを見る。…春菜ちゃんはせき込んでる仕草をして、咲ちゃんはお腹をさすっている。


“風邪っぽい”と“腹痛”で話を通すみたいだね。どうなるかな?


……2人は体育館を出て行ったから、何とか許可をもらえたみたい。


「後で保健室に行きましょうか」


「そうだね」


春菜ちゃんと咲ちゃんの事だから、熱中し過ぎる気がする。私達が声掛けしないと!



 体育の時間が終わり、私と麻美ちゃんは保健室に向かう。高3なのに保健室に行った記憶がほとんどないな~。場所をかろうじて覚えてるぐらい。


……特に会話もなく、保健室前に着いた。私が扉を開けると…。


「先生、ウチもう限界♡」


「アタシも♡」


入って早々、春菜ちゃんと咲ちゃんの色っぽい声が聞こえた。どこからだろう?


「あのカーテンの向こうじゃない?」


麻美ちゃんが指差してくれたので、私は恐る恐るカーテンをめくってみた。すると…。


「あら?」


手を止めた白衣を着た女の人が、私と麻美ちゃんを見る。この人が多分保健の先生だね。


ベッドのふちに座って足を広げている春菜ちゃんと咲ちゃんは、ハーフパンツを穿いてなくて下着だけだ。先生の手の位置から推測すると、下着越しに2人のを触ってたみたい。


「今、この2人におしおきしてたの」


「おしおき…ですか?」

麻美ちゃんが尋ねる。


「ええ。わたしが保健室に戻ってきたら、この2人がベッドを占領してレズってたのよ。どう見ても元気そうだし、体育をサボったわよね?」


「はい、先生のおっしゃる通りです」


麻美ちゃんは2人を庇おうとしない。最初からサボるのに反対してたから当然か。


「今日はこれぐらいで許してあげるわ。次サボったら、もっと激しくするからね」


「えっ!?」


そう言う春菜ちゃんと咲ちゃんは、怯えるどころか食い付いてるように見える。先生にバレたらどうするの?


「寿さん・咲、すぐ教室に戻るわよ。先生、失礼します」


私達が保健室を出ようとしたら…。


「ちょっと待って」


何故か先生が引き止めた。春菜ちゃん・咲ちゃんと違って、私と麻美ちゃんはサボってないよ!?


「体育に限らず、サボってる子とかおしおきして欲しい子がいたらすぐ教えてちょうだい。わたしが相手してあげるから♡」


先生は私達の体を舐め回すように観てからそう言った。もしかして先生はレズ?


「はぁ…。では、失礼します」


さっき言ってた“もっと激しくする”は冗談じゃないかも。なんて思いながら、私達は保健室を出る。

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